2013年06月20日

派遣期間の上限を業務単位から個人単位に(派遣協会)

リーマンショックをきっかけに、日雇い派遣の原則禁止など労働者派遣についての規制強化が図られたところです。

派遣労働者の保護というのがその趣旨でしたが、逆に働く場が狭められたのではないかという批判もあります。

規制が強化されたことで、企業の側でも派遣労働者が使いにくくなったと感じているのではないでしょうか。

そういうことも背景にあるのではないかと思いますが、日本人材派遣協会が派遣労働について見直しの提案をしているようです。

周知のように労働者派遣というのは、本来的には臨時的短期の業務を前提としたものです。そのようなことから、専門26業務を除いて派遣期間についての上限が設定されているところです。

この点が企業の側からはネックになっているといっていいでしょう。

これについて、派遣協会は派遣期間の上限を業務単位ではなく個人単位にして欲しいと要望しているとのことです。

現状では、同一業務について3年を超えてはならないとされていますので、ある業務に派遣労働者を受け入れる場合には、3年が限度ということになります。

これは、派遣労働者が変わっても同様ですから、例えばすでに2年間Aという派遣労働者を受け入れていれば、その後Bという派遣労働者に変わったとしても残りは1年だけということになります。

派遣協会の要望は、これを労働者ごとにして欲しいということです。つまり、派遣労働者を変えれば3年を超えても使い続けることができることになります。

派遣労働者を受け入れいる企業からすれば使い勝手がよくなるということでしょうし、派遣業界にとっても市場拡大が期待できるということになるのでしょう。

ただ、前述したように労働者派遣というのはあくまで臨時的なものを想定していますので、期間上限がなくなれば正社員から派遣労働者への転換が進むだけということにもなりかねません。

現在、規制改革会議でも産業活性化のために雇用の流動化を促進してゆこうとしているようですが、それは一方で労働者には厳しいものになってしまいます。

その点をどのように折り合いをつけるのか難しいところといえるかもしれません。

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2013年06月13日

規制改革会議における限定正社員の取扱いルール

規制改革会議で雇用に関する新たなルールが議論されているところです。

すでに報道されているように、現在、限定正社員の仕組みの導入が検討されています。

限定正社員というのは、地域や職種などを限定して労働契約を締結する正社員のことをいいます。

このような契約形態そのものは、従来からありますが、そのルールを明確にして導入を促進しようということでしょう。

規制改革会議の中では、労働条件の明示、均衡処遇・相互転換の要請、についてのルールが提言されています。

労働条件の明示では、就業規則の中に限定正社員の類型を規定し、契約にあたっては限定正社員である旨を明らかにしておくようにすべきだとしています。

また同様に、労働条件が変更される場合にも書面にて明示され、明確にすることが望ましいとしています。

均衡待遇・相互転換の要請では、通常の正社員と限定正社員の待遇について均衡のとれたするものにすることが求められています。

均衡とあるように、全く同じ待遇が求められる訳ではなく、バランスのとれた対応ということでしょう。

限定正社員ということだけで不合理な労働条件を設定してはならないということです。

また、働き方が選べるように、正社員、限定正社員間の移動ができるような仕組みにすべきだともしています。

ライフスタイルやライフサイクルに合わせた柔軟な働き方ができるようにということでしょう。

以上のように、限定正社員制度の導入を促進するためのさまざまなルールが今後検討されてゆくことになるのではないでしょうか。
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2013年04月23日

経団連が雇用ルールなどの労働法制について提言

経団連が、事業活動の柔軟性確保や多様な就業機会の創出という観点からの提言を行っています。

これは、雇用の維持増加を図るためには、労働者保護政策だけでは対応できないのではないかという視点にたつものです。

それによると、多様な労働者が活用できる労働環境づくりの課題として、実態に対応していない労働時間の管理、厳格な雇用保障責任、年功処遇の問題、をとりあげています。

そのうえで、労働者が働きやすく、透明性の高い労働法制に向けた提案を行っています。

例えば、企画業務型裁量労働制を活用しやすいように規制を緩和すること、36協定の特別条項の柔軟な運用、休憩時間のいっせい付与要件の撤廃などです。

また、勤務地や職種を限定する契約に対する雇用保障責任についての透明化なども取り上げています。

当然のことながら、いずれも企業の立場からの提言です。

企画業務型裁量労働制については、労働者保護の観点から制限があることは事実です。これについて事務職なども対象にすべきだとしています。

これは、前回の労基法改正のときにもとりあげられたホワイカラーエグゼンプションのことでしょう。

休憩時間についても、交替で与えるためには一定業種以外は労使協定が必要など、企業にとっては手間がかかるということではないかと思います。

勤務地や職種を限定する雇用の場合は、それらの仕事がなくなったとき、解雇しても解雇権濫用法理の適用外にして欲しいということのようです。

確かに、企業活動を行ううえで、手足を縛られては動きにくいということでしょう。ただ、それが行き過ぎると労働者が置き去りにされることも事実です。

その点が難しいところではないでしょうか。
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2013年04月19日

政府が育児休業3年に延長の方針

労働力人口は、2012年で6555万人となっています。今後は、人口減少とともに更に少なくなってゆくことが予想されます。

企業が成長するためには、労働力確保が必要ですが、それが難しくなるということでもあります。

どのようにして不足を補うかということになりますが、一番可能性が高いのは女性の労働力でしょう。

女性の場合には、結婚や育児で労働の場から離れることが多いというのが実情です、いわゆるM字型カーブです。

このMの下がり方を抑えることができれば、労働力減少に歯止めをかけることができる可能性があります。

そうした観点から、政府が育児休業の延長を考えているようです。

育児休業は、現在子どもが満1歳になるまでが原則とされています。保育所に入れないなどの事情があれば1歳半まで延長可能となっています。

これを3歳まで延長するというのが基本的な考え方のようです。

大企業の中には、法律の枠を超えてすでに3歳までとしているところもあります。これを全企業に適用しようということでしょう。

確かに、これで労働力確保の道が開けることにはなりますが、一方で企業の負担も大きくなります。

中小企業の中には、育児休業そのものを取らせない雰囲気もありますので、政府が考えるような方向ですんなり問題が解決できるかは不透明です。

また、育児休業の延長よりも不足する保育所を増やす方が先決ではないかという考え方もあります。

いずれにしても、女性労働力の活用度合いを高めることが必要だということでは変わりはないのではないでしょうか。
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2013年04月17日

無断録音に証拠能力はあるのか

最近は、長時間録音できる小型のICレコーダーなどが普及しています。またスマートフォンでも録音できるなど、利便性が高まっています。

それはいいのですが、場合によってはこれを悪用する人もいるようです。相手に無断で会話を録音するといったことです

企業内でもそうした行為が行われていることがあるようです。

ある会社では、何度も訓告処分を受けてきた社員が会社に時間外手当を請求する裁判を起こした際に、会社との間のやりとりを無断録音していたようです。

これは裁判に提出された資料から推測されるということです。

無断録音すること自体は、違法な行為とはされないようです。ただ、会社内で日常的に行われるようになるとこれは問題です。

たぶん、会社で働く社員もいい気持ちはしないでしょうし、お互いに疑心暗鬼に陥るのではないでしょうか。

事実、そうした会社もあるようです。

これをやめさせるためには、無断録音の行為を禁止する措置をとっておく必要があるでしょう。きちんとルールを定めておくということです。

また、やっかいなのは無断録音された内容は、刑事裁判では証拠能力はないとされているようなのですが、民事裁判においては証拠能力を持つことです。

過去の裁判でも、著しく反社会的なものでなければ証拠能力があると判示されていますので、そういう点にも会社としては留意しておくべきでしょう。

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2013年03月29日

限定正社員(準社員)制度で人的資本の向上を

政府の規制改革会議で、雇用分野での重点検討項目をとりまとめたようです。

それによると、限定正社員(準社員)についての雇用ルールを整備すること、非正社員の正社員への転換の仕組みをつくること、解雇の金銭的解決を導入すること、の3点が柱になっているとのことです。

限定正社員というのは、その名のとおり地域や職種などを限定した社員のことをいいます。

日本の企業では一般的に包括的な労働契約を締結しています。包括的というのは、どこに配属するかどんな職種につけるかは、会社の裁量に委ねているということです。

それに対して、限定正社員というのは労働契約の内容を限定することだといっていいでしょう。

この制度を導入することで、労働者が働き方を選べるような方向にもってゆきたいということのようです。

例えば、女性の場合には新卒で正社員として入社した後、結婚や出産をすると正社員と同じような働き方はできないでしょう。

そこで一時的に限定正社員として契約をし、子供が大きくなった後で再度正社員として契約しなおすといった形が考えられます。

また、高齢になると正社員と同じ働き方はきつくなることもあるでしょう。そのような場合にも限定正社員としての契約を締結できるということです。

これまでは正社員と非正社員の区分しかありませんでしたが、その中間的な契約形態を取り入れようということではないでしょうか。

近年、企業は正社員から非正社員への活用を進めていますが、非正社員の場合には能力開発の機会がなく労働力が劣化しているとも考えられます。

限定正社員制度で、これを防止しようということではないかもしてません。いわゆる人的資本を向上させようということです。

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2013年03月15日

雇用維持から転職支援への転換

雇用に関する政府の施策が転機を迎えているようです。

リーマンショックをきっかけに、雇用の維持を図るために雇用調整助成金が拡大されてきていたのは周知のとおりです。

解雇による失業者の増加を防止するというのが雇用調整助成金の趣旨といっていいでしょう。そういう意味では、一定の効果があったといえるのではないかと思います。

労働者の側からすれば、雇用調整助成金によって失業を免れることができるということですので、雇用の安定化につながったといえるでしょう。

しかし、逆の視点からすれば、雇用が滞留するということでもあります。つまり、競争力のない産業に雇用がとどまることで、成長力を失うおそれもあるということです。

今後の経済成長を目指すためには、成長産業の育成が重要だということになるでしょう。そのためには、そうした産業に労働力を移動する必要があります。

そこで、雇用維持から雇用流動化を促す施策が求められているといっていいのではないでしょうか。

厚生労働省もそういう観点から施策を変更することにしたようです。

従来の雇用調整助成金を縮小し、逆に転職を促す支援策を強化するということです。具体的には、不振企業から新たに労働者を受け入れる企業に対して当該労働者を訓練するのに必要な資金の一部を支給するということです。

同様に、労働者が辞める会社側がに対しても再就職の職業訓練を実施する場合に、その資金の一部も支給されます。

つまり、人材を送り出す企業、受け入れる企業の双方に対して支援を行うということです。

これによって成長産業の育成をするということでしょう。
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2013年02月15日

規制改革会議が解雇の金銭的解決を認めるよう提唱

周知のように、解雇には客観的、合理的でなおかつ社会通念上相当な理由が必要とされているところです。

よほどのことがない限り、解雇は認められないというのが実情といっていいでしょう。

これは、労働者保護という側面からは必要なことといえますが、企業の側からすれば新たな採用に慎重にならざるを得ないということでもあります。

この点について、もう少し規制を緩和するべきではないかという意見が従来からありました。それによって新たな雇用を生み出す効果も期待できるのではないかということです。

そうしたことが背景にあるのかもしれませんが、政府の規制改革会議において、この解雇条件を見直すべきではないかとの見解が示されているようです。

それによると、解雇無効という判決がなされた場合に、職場に復帰する代わりに金銭を支払うことで労働契約を終了したとみなす解決策を導入することを検討するとしています。

従来から、現実的にはそのような取扱いがなされてきているところですが、これを明確にしようということではないでしょうか。

解雇が容易になれば、企業も雇用を増やすことを考えるようになるのではないかということです。

一方で、解雇が増えるのではないかという危惧もあります。メリット、デメリットをよく勘案する必要があるのかもしれません。


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2013年02月12日

65歳までの継続雇用に再雇用選定基準が必要とする企業は95.7%

周知のように65歳までの継続雇用を無条件で義務づける改正高年齢者雇用安定法が、4月から施行されます。

無条件での義務づけということにはなっていますが、2つの例外措置があります。1つは退職事由や解雇事由に該当する場合です。

もう1つは、労使協定を締結している場合の経過措置です。こちらは、改正法施行までに労使協定を締結しているときに適用されます。

つまり、厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が61歳、62歳、63歳、64歳、65歳と引き上げられていくのに合わせて労使協定で定めた基準を適用する年齢も引き上げられます。

この経過措置を利用すれば、労使協定で定めた基準を平成37年まで適用することが可能になるのです。

公益財団法人日本生産性本部の、第13回「日本的雇用・人事の変容に関する調査」によると、65歳までの雇用義務化に伴い、「再雇用選定基準が必要」とする回答が95.7%あったということです。

この基準については、客観的で具体的なものであることが求められます。本人が基準に適合しているかどうかを判断できるものでなければならないのです。

したがって、「会社が必要と認める場合」のように会社の恣意的な意思で決定されるようなものは基準とは認められません。

一般的には健康状態や勤務実績、人事評価の結果などを基準とすることが多いのではないでしょうか。

生産性本部の調査では、今後もこうした選定基準が必要だとする企業がほとんどだということになります。

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2013年01月30日

有期契約が5年を超えれば自動的に無期契約に転換するのか?

昨年、労働契約法が改正されました。今年4月から本格的に施行されることになっています。

今回の改正目的は、有期契約労働者の保護強化といっていいでしょう。不安定な身分に置かれがちな有期契約労働者の雇用の安定化といっていいかもしれません。

改正法では、有期労働契約の期間が5年を超えた場合は、無期契約への転換が可能になるとしています。

このとき、契約期間が5年を経過すれば自動的に無期契約に転換するのかというとそういう訳ではありません。

5年を超えた時点で、労働者に無期契約転換権が発生するということなのです。その権利を行使するかしないかは、労働者の意思ということになります。

したがって、労働者が無期契約への転換を申し出なければ、無期契約への転換はありません。

そういうことであれば、労働者にその旨を含んでおけばいいのだなということになりがちですが、仮に契約更新の条件として無期契約への申し出をしないことを約束させたとしてもこれは無効ということになります。

無期契約への転換の申し出は、契約期間が5年を超えることになる契約期間中に行うこととなっています。

その期間中に申し出がなければ、無期契約転換権は失効するのかというとそうではありません。

その期間以降、いつでも無期契約への転換を申し出ることができることとされています。

無期契約への転換申し出は口頭であっても構いません。ただ、後で言った言わないのトラブルになるおそれがありますので、書面でも申し出とさせておくべきでしょう。
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2013年01月10日

定額残業代を翌月に繰り越すことは可能か

労働基準法では、法定労働時間を週40時間、1日8時間と定めています。これを超えて労働させることは原則としてできません。

もっとも、原則には例外がありますので、労使協定を締結した場合などは、時間外労働、休日労働をさせることもできます。

この場合、罰則という意味での割増賃金の支払いが求められます。時間外労働であれば25%(60時間超では50%)以上、休日労働では35%以上の割増率となっています。

時間外労働や休日労働の時間に対して、この割増率で計算された割増賃金を支払わなければならないということです。

ただ、計算が面倒だということで、割増賃金に相当する定額の手当を支給していることもあります。

例えば1カ月3万円の業務手当を支払うといったやり方です。

この場合、業務手当が割増賃金であることを明確にしておくことが求められます。これがあいまいなケースがよくありますが、そのような場合は別途割増賃金を支払わなければならなくなることもあります。

定額ということですから、予定していた時間外労働を超えて働けばその分は別途計算して支払わなければなりません。

一方、予定していた時間外労働に満たなかった場合でも手当は支給することになります。

企業の側からすれば、なんとなく割り切れないこともあるのではないでしょうか。このようなとき、余分に支払った手当を翌月の時間外労働の割増賃金に繰り越せないかと考える人もいるのではないでしょうか。

そうしたやり方が可能なのかどうかが問題になってきます。

これは前払いということを明確に規定したうえで翌月に繰り越すのであれば可能です。先に債務としての賃金を支払い、後から発生する債務にこれを充当するという考え方になります。
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2012年10月15日

サントリーが65歳定年制の導入へ

65歳までの雇用を無条件で義務づける高年齢者雇用安定法が改正されたことから、これにどのように対応するかを検討している企業は多いでしょう。

トヨタ自動車は労働時間を半分にするハーフタイム勤務制度を導入することで対応しようとしているようです。

基本的には、労働時間を短縮することで働きやすい環境を整えるということが目的ということになるのでしょうが、その分賃金抑制も可能ということです。

一方、定年制を65歳にするというのがサントリーです。これは定年延長ということになります。

同社では、2006年に60歳の定年後、雇用期間を最長5年まで延長する制度を導入していましたが、今回は定年そのものを65歳にするということです。

再雇用ではなく、定年そのものが65歳に延長される訳です。来年4月1日から65歳にするということです。

賃金については、60歳以前の6〜7割を支給することになるようです。それでも、社員にとっては朗報ということになるのではないでしょうか。

なお、配置に関しては本人の希望や適性などを考慮して決めることになるとのことです。

高年齢者雇用安定法への対応方法は企業によっても違いがあるでしょう。自社の状況を踏まえたやり方を検討する必要があるでしょう。

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2012年09月19日

金銭的解決による解雇規制の緩和も必要?

周知のように、わが国においては社員を解雇する場合、客観的・合理的でなおかつ社会通念上相当な理由がなければならないとされているところです。

いわゆる解雇規制ということになるのですが、これは弱い立場にある労働者を保護するという考え方といえます。

ただ逆に見ると、いったん雇用するとなかなか解雇できないということでもあります。

そのようなことから、企業としては正社員の雇用に慎重になり、一方で柔軟な雇用ができる非正社員を活用しようということになります。

それが、身分が不安定な非正社員の増加、若年失業者の増加につながっているという指摘もあります。

改正された労働契約法では、有期雇用者の保護に向け契約が5年を超えた場合には無期雇用への転換を求めることができるとされていますが、有効に機能するのかという疑問もあります。

むしろ、現在の強い解雇規制を緩和して解雇しやすいようにすべきだという考え方もあります。

そうすれば、格差の固定化を防げるのではないかということです。

ギリシャ危機で苦しむヨーロッパでも同じような議論があるようで、イタリアでは解雇に金銭的解決が認められる労働者改革法が成立しています。

日本においても、これまで何度か遡上にのぼったことがありますが、労働者側の反対もありまだ導入にまでは至っていません。

正社員と非正社員を同じ土俵で取り扱うためには、強すぎる正社員保護についての見直しも必要なのではないでしょうか。

その一つの解が、解雇についての金銭的解決ということでしょう。もちろん、どの程度の補償をするのかなど詰めなければいけない点は多数あるのかもしれませんが、検討に値する方法かもしれません。
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2012年09月04日

改正労働者派遣法施行にあたっての問題点

改正労働者派遣法が10月から施行されることになっています。周知のように、今回の改正は身分が不安定な派遣労働者の保護と雇用の安定をめざしたものです。

これによって、派遣労働者が安心して働けるようにということなのでしょう。一方で、企業側にはとまどいもあるようです。

今回の改正では、30日以内の日雇い派遣が原則禁止とされていますが、例外処理にどのように対応すればよいのか分かりにくい点があるからです。

例えば、31日の雇用契約を締結しておいて、実際に働くのは土日のみで8日といった取扱いでも構わないのかといったことです。

これについて、厚生労働省ではそれが社会通念上妥当なものであるかどうかによって判断するとしているようです。

非常にあいまいな判断基準だということです。

また、日雇い派遣はその人の収入や世帯年収が500万円以上などの場合には可能ともされています。

世帯収入をどうやって確認すればいいのか、企業側としては対応できないというのが正直なところかもしれません。

そのほか、派遣労働者の賃金を決める際には派遣先企業の賃金を参考にするともされていますが、派遣先企業が教えてくれるだろうかという疑問もあります。

このように、判断が難しい点があるのが実情のようです。これらの点がクリアにされないと、派遣労働者を使おうという企業に影響が出るのではないかと危惧されるのではないでしょうか。

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2012年09月03日

平成23年度は障害者就職件数が過去最高の約6万件に

9月は障害者雇用支援月間となっていますが、厚生労働省の調査によると平成23年度の障害者就職件数が約6万件となり過去最高だったということです。

前年と比較すると、12.2%の増加という結果になっています。

この背景には、企業側の精神障害者やその他の障害者の雇用に対する理解が進んだことがあるようです。

障害者については、現行で1.8%の法定雇用率が定められていますが、平成25年4月からは2%まで引き上げられる予定となっています。

更に、平成27年4月からは障害者雇用納付金制度が100人を超える事業所にも拡大される予定です。

そのようなことから、企業としてもなおいっそうの障害者雇用に取り組む必要があるのではないでしょうか。

前述のように平成23年度の障害者就職件数は過去最高となっている訳ですが、企業規模によって障害者雇用の状況には違いがあります。

1000人以上の大企業においては、法定雇用率を上回る1.84%であるのに対して、56人〜100人規模では1.36%、101人〜300人規模でも1.4%といずれも法定雇用率を下回っています。

中小企業の場合には、障害者を雇用するほどの体力がないということもあるのでしょう。また、障害者雇用に対する認識不足という点もあるのかもしれません。

中小企業でも障害者雇用に積極的に取り組んでいるところもあります。これらの企業には、障害者雇用に向けての工夫がみられます。

そうした環境整備によって、障害者の活用が進んでいるということです。これを見習う必要もあるのではないでしょうか。

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2012年08月29日

改正高年齢者雇用安定法が本日成立予定

国会で審議されていた改正高年齢者雇用安定法が、本日の参院本会議において成立する見通しとなったようです。

この改正案には賛否両論があるのではないでしょうか。

65歳までの雇用確保が無条件で義務づけられることになりますので、定年を迎える労働者にとっては、定年後も働く場が確保できるというメリットがあります。

一方で、若年労働者の働く場が失われるのではないかとも危惧されています。確かにその可能性はあるのではないでしょうか。

企業とすれば、余分な労働力を保持することはできませんから、定年後も雇用継続ということになればその分採用は抑制されることになるでしょう。

また、雇用を維持することにより企業の人件費負担も重くなることが予想されます。

これを放置することはできないでしょうから、企業としては賃金制度の見直しを検討することになるのではないでしょうか。

現に、NTTは来年度から新しい賃金制度を導入することにしているとのことです。

もっとも、定年を迎えた人が全員、継続雇用を希望するとは限りません。2011年6月の厚生労働省の調査によれば、過去1年間に定年を迎えた約43万人のうち10万人は継続雇用を希望しなかったということです。

とはいえ、法改正後、企業として高年齢者雇用を今後どのようにしてゆくのか対応を迫られることになるでしょう。

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2012年08月10日

改正労働契約法が成立

改正労働契約法が3日の参院本会議で可決、成立したようです。

今回の改正は、有期労働契約が反復更新され、5年を超えた場合には、労働者からの申込みによる、無期労働契約へ転換するなどの内容が盛り込まれています。

リーマンショックにより有期契約の労働者が契約打ち切りを受けるなど、有期契約労働者の不安定な身分が問題となりましたが、これを是正するための改正といってもいいでしょう。

ただし、5年の期間計算をする場合、間に6カ月の空白期間があれば、これは通算しないこととされています。いわゆるクーリング期間ということです。

また、雇い止めに関する判例法理が法定化されています。これは、有期契約であっても実質的に無期契約と同じ状態であるような場合には、客観的で合理的な理由がなければ期間満了で契約を終了することはできないとするものです。

いわゆる解雇権濫用法理が適用されることになります。

そのほか、有期契約であることを理由に、無期契約の労働者と労働条件が異なるような場合に、それが職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して不合理と認められるようなものであってはならないともされています。

いずれも、有期労働契約者の雇用の安定を図ろうとする内容であるといっていいでしょう。

今後も、有期契約労働者を使用するのであれば、こうした労働契約法の改正に対応してゆくことが求められます。
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2012年08月02日

平日でも通院ができる時間単位有給の導入を要請(厚労省検討会)

時間単位年休制度は、労働基準法の改正により一定条件のもとで導入することができることとなっています。

しかし、時間単位年休制度を設けている企業は少ないというのが実情です。厚生労働省の平成23年の調査によれば7.3%にとどまるということです。

時間単位年休は、通院などをする労働者にとってはメリットがある仕組みといえるでしょう。

最近は、精神疾患を発症する人が増えるなど、日常的に通院が必要なこともあるのではないでしょうか。そうした人にとっては有用な制度といえます。

そのようなことから、厚生労働省の検討会が平日にも通院できるよう時間単位の有休制度や短時間勤務制度の導入を要請する報告書をまとめています。

報告書によれば、職場復帰に向けて治療している労働者は約100万人いるとしています。これは、今後も増加するとみており、企業や医療機関、行政が連携した取り組みをする必要があるとしています。

前述したように、時間単位年休制度を設けている企業は10%にも満たないというのが現実です。

これでは、病気療養中の労働者が職場復帰することもままならないのではないかということでしょう。

安心して通院できるための仕組みが求められているということではないかと思います。

企業にはその負担がかかる訳ですが、職場復帰がスムースに進めば企業にもメリットがあるといえるのではないでしょうか。

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2012年07月30日

65歳までの無条件雇用に例外指針(改正高年齢者雇用安定法)

無条件で65歳までの雇用確保を義務づける高年齢者雇用安定法の改正案が国会で審議されています。

周知のように、これは年金支給年齢の引き上げに対応するための措置です。定年後に無収入の期間が生じることを避けるための方策だということです。

ただ、企業の側からすれば負担が大きくなるものであり、条件を設定できる現状維持が要望されていたところです。

これについて、民主党、自民党、公明党の3党が、一部修正する案を国会に提出したということです。

それによると、心身の健康状態や勤務態度が著しく悪い場合には、継続雇用の対象外にすることができることになるようです。

その指針を設定するということのようです。

前述したように、法律の改正により企業の負担が重くなりますので、これに配慮したものといえるでしょう。

確かに、健康に不安のあるような人までも雇用を確保しなければならないというのは、企業の側からすれば納得できないものでしょう。

そのようなことから、今回の指針設定の方向になったということです。

例外となる対象者については、法律が成立した後、施行までの間に決めることとなっていますので、今後の動向を注視しておく必要があるでしょう。
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2012年06月08日

65歳までの無条件雇用確保義務に賛成は約49%

65歳までの雇用確保を、無条件で義務づける改正高年齢者雇用安定法が国会に提出されています。

現状では、労使協定によって一定の条件を定めることができることとなっていますが、改正法が成立すれば希望する全員を無条件で雇用しなければならなくなります。

これは企業にとっては大きな負担になるのではないでしょうか。また、若い人の雇用が損なわれることになるのではないかという危惧もあります。

日本経済新聞の調査によると、この無条件雇用確保義務に賛成の人は48.8%だったということです。

一方、反対は15.4%にとどまっています。どちらともいえない・わからないとする人の割合は35.8%でした。

この結果からは、賛成の方が多いということになるのですが、当然のことながら年齢別では違いがあります。

年齢が高いほど賛成が多く、年齢が低いほど少ないという結果になっています。

賛成の理由は、「無収入・無年金では生活できない」が最も多くなっています。これに続くのが「60代はまだ若い」です。また「60代は優れた技術ノウハウを持っている」も3番目に入っています。

確かに、肉体的な衰えは個人差がありますので、一律に線を引くのにはムリがあるのかもしれません。

ただ、経済情勢が厳しく働く場が少なくなっている中で、高年齢者だけ優遇するということには反発を持つ人も多いのではないでしょうか。

なかなか難しい問題だといえます。
posted by 人事診断士 at 06:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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