2012年04月03日

改正労働者派遣法が成立

継続審議となっていた労働者派遣法が、先月28日にようやく成立しました。

主要な内容は次のとおりです。

1.日雇労働者についての労働者派遣の禁止
日雇い又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者については労働者派遣をしてはならないとされています。

2.均衡を考慮した待遇の確保及び労働者派遣事業の業務の内容に係る情報提供義務の創設
派遣元事業主は、派遣労働者の賃金等について、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先労働者との均衡に配慮するとともに、労働者派遣に関する料金の平均額と派遣労働者の賃金の平均額の差額が労働者派遣に関する料金の平均額に占める割合等の情報の提供を行わなければなりません。

3.労働契約申込みみなし制度等の創設
派遣先が、無許可派遣元事業主等から労働者派遣の役務の提供を受ける等違法行為を行った場合、その時点において、派遣先から派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしたものとみなされることになります。

以上のようなものですが、当初の内容からすると、ずいぶんと後退したものになった感は否めません。製造業派遣の原則禁止や登録型派遣の原則禁止に関する条項は削除されています。

また、日雇派遣の原則禁止は緩和されていますし、違法派遣の見なし規定についても3年後の施行となりました。

それでも、これまでと比べれば派遣労働者を保護する内容となっているとはいえるのではないでしょうか。

小さいけれども一歩前進ということかもしれません。


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2012年03月22日

労働契約法の改正法案要綱に労働政策審議会が答申

労働契約法の改正法案要綱について厚生労働省の労働政策審議会が、おおむね妥当と答申したようです。

この改正法案要綱のポイントは次のとおりです。

1.有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
 有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みを導入する。

2.「雇止め法理」の法定化
 雇止め法理(判例法理)を制定法化する。

3.期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
 有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、不合理と認められるものであってはならないものとする。

1.の5年を超えてというのは、間に6カ月以上の空白期間があるときは、通算しないとされています。つまり、6カ月のクーリング期間をおけば再度契約可能ということになります。

2.の雇い止めの法理というのは、有期労働契約の反復更新により無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、または有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき、合理的期待が認められる場合には、 解雇権濫用法理を類推して適用するというものです。

これは、いままでの判例を法令として定めるということのようです。

厚生労働省は、この答申をふまえ、改正法案を開会中の通常国会へ提出する予定とのことです。

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2012年03月14日

社会保険のパートへの適用拡大45万人が対象に(政府・民主党決定)

周知のように、社会保障と税の一体改革の一環として社会保険のパートタイマーへの適用拡大が議論されていたところです。

これについて、政府と民主党が対象となるパートタイマーの範囲を45万人に決定したとのことです。

対象となるのは、1週間の所定労働時間が20時間以上で年収94万円以上、なおかつ雇用期間が1年以上のパートタイマーとなっています。

また、中小企業への影響に配慮して、当面は従業員数が501人以上の企業に対してのみ適用するということのようです。

実施時期は2016年4月からとなっています。そのうえで、3年以内に追加の拡大をする方向のようです。

新たに被保険者になれば、厚生年金の受給額が増えることになりますので、その点については労働者にとっては朗報ということになるかもしれません。

一方で、その分の保険料を負担しなければなりません。負担が軽くなるのは国民年金に加入している自営業者などです。

また保険料は労使折半となっていますので、企業の側の負担は大きくなります。今回の45万人が対象になった場合は800億円の増額になるようです。

そのため、企業としてどのように対応するのか、経営者としても悩ましいところではないかと思います。
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2012年02月22日

厚生労働省が岩波書店の縁故採用に関する事実関係を確認

先日、岩波書店が平成25年度の定期採用を縁故採用に限るとしたことが、波紋をよんだことは周知のとおりです。

厚生労働省は、企業に対して、応募者の基本的人権を尊重し、広く応募の門戸を開き、適性・能力に基づいた公正な採用選考を行うよう周知・啓発を行っているところですが、岩波書店の縁故採用がこれに反していないかどうか事実関係を確認したようです。

その結果、次のようなことが明らかになったとしています。

・今回の募集方法は、応募者の熱意や意欲を把握したいという意図によるものであること。
・著者等の紹介を選考の基準とはせず、筆記試験と面接試験により厳正な選考を行う考えであること。
・著者等の紹介を得ることが難しい応募希望者についても、採用担当部門で話を聴いた上で、応募機会の確保を図っていること。

岩波書店の縁故採用については、以上のような形で公正採用選考の観点から、同社の募集・採用活動の考え方や実態について一定の確認を行ったということでしょう。

そのうえで、今後も同社の対応が公正採用選考の趣旨に沿ったものとなっているかについて、しっかり注視していくとしています。

厚生労働省としては一応チェックはしたということなのではないかと思います。

黒ではないけれども、グレーな部分があるということかもしれません。

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2012年02月20日

厚生労働省が高年齢者雇用安定法改正案の概要を公表

年金支給年齢の引き上げに対応する形で60歳以降の雇用をどうするかが課題となっているところです。

これについては、高年齢者雇用安定法を改正し、現状の継続雇用制度を見直すことが検討されています。

このほど、厚生労働省からその改正案の概要が公表されました。

それによると、「継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が定める基準に関する規定を削除し、高年齢者の雇用確保措置を充実させる等の所要の改正を行う」としています。

その内容は次のとおりです。

1.継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
2.継続雇用制度の対象者が雇用される企業の範囲の拡大
3.義務違反の企業に対する公表規定の導入
4.「高年齢者等職業安定対策基本方針」の見直し等

まず、継続雇用の対象となる高年齢者を選定する基準が廃止されます。つまり、希望する全員を対象にしなければならないということです。

次に、継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲がグループ企業まで拡大されることになっています。

そして、高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定を設けることとされています。

更に、雇用機会の増大の目標の対象となる高年齢者を65歳以上の者にまで拡大するともしています。

なお、施行時期は平成25年4月1日が予定されています。

企業としては、これに向けた対応を考えておく必要があるでしょう。

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2012年02月14日

健保・厚生年金パートへの適用拡大で企業負担は最大5400億円

国の財政悪化から、政府は社会保障と税の一体改革を進めているところです。

その一環として、健保・厚生年金への加入要件の緩和が検討されています。具体的にはパートタイマーについての適用拡大を目指しているといっていいでしょう。

ただ、これが実現するということになると、企業の負担が大きくなることが懸念されています。

保険料は企業と労働者が折半しますので、その分が企業の重しになるということになります。

どのくらいの負担増になるかが気になるところですが、このほど厚生労働省がその試算をしたようです。

それによると、加入要件を週30時間から20時間に短縮することで370万人のパートタイマーが新たに被保険者になると予測しています。

これによる企業負担は、年金で3300億円、医療保険で2100億円となっています。合計では5400億円になります。

これは企業にとっては、非常に大きな金額ということになるでしょう。

当然、反発が予想されますので、当面の間は激変緩和措置がとられることになるのではないでしょうか。

その第一弾として従業員300人以下の中小企業で働く人を適用除外とし、更に年収80万円以上とする方向のようです。

その場合の企業負担は1500億円〜2000億円程度ではないかとされていますが、それでも企業負担が増えることに変わりはありません。

まだまだ紆余曲折があるのではないかと思われます。



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2012年02月06日

岩波書店の縁故採用に厚労省が調査へ

出版社の岩波書店が、平成25年度の定期採用を縁故採用に限るとしたことが注目されているようです。

同社では、「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」を応募資格とするということです。

つまり、この紹介がなければ応募できないということです。これについて岩波書店は採用条件ではなく「本当に岩波書店で働く意欲を持った人を選考するためで縁故採用との意識はない」としているようです。

厚生労働省も、この件について関心を持っているようで、公正な採用選考に弊害があるのかどうか、事実関係を調査する考えだということです。

性別や年齢を限定して採用することは、男女雇用機会均等法や雇用対策法によって原則的に禁止されているところです。

これに違反していないかどうかを確認するということではないでしょうか。

もっとも、縁故採用についての規制は法律にもありませんので、どのような取扱いになるのか注目されるところです。

一般的には、こうした制限を設けることで均等な機会が失われるのではないかということが危惧されるということではないでしょうか。

著者の紹介状を必要とするというのはある面で面白い試みであるとはいえるような気がします。

このようなやり方も、人材を見極めるための一つの方法ということにはなるのかもしれません。
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2012年01月31日

厚生労働省の部会がパワーハラスメントの定義を明確化

最近は、セクシャルハラスメントのほかパワーハラスメントも問題になってきています。いわゆる職場でのいじめや嫌がらせです。

これにどのように対応してゆくべきか、悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。パワーハラスメントの難しいところは、どのような行為がこれに該当するかということです。

通常の指揮命令行為がパワーハラスメントにならないのは当然ですが、いじめや嫌がらせとの判別が難しいこともあるということです。

そのようなことから、このほど厚生労働省の作業部会がパワーハラスメントの定義を明確にする報告書をまとめたようです。

それによると、パワーハラスメントについて「同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的な苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為」としているようです。

そのうえで、次のような6つの類型を示しています。

〈1〉身体的な攻撃(暴行、障害)
〈2〉精神的な攻撃(脅迫、名誉毀損、侮辱、暴言)
〈3〉人間関係からの切り離し(隔離、仲間はずし、無視)
〈4〉過大な要求(実行不可能な仕事の強制、仕事の妨害)
〈5〉過小な要求(能力とかけ離れた難易度の低い仕事を命じる、仕事を与えない)
〈6〉個の侵害(私的なことに過度に立ち入る)

これに対して、予防や解決のための指針作りなどを企業に求めています。


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2012年01月23日

全労連が有期労働契約に入り口規制などを求める声明

有期労働契約については、昨年の暮れに労働政策審議会が「有期労働契約の在り方について」を建議したところです。

今後の有期労働契約のあり方についての提言をしているわけですが、これに対して全労連が「極めて不十分な内容」と批判しています。

それによると、まず有期労働契約については「臨時一時的な業務」に限定すべきだとしています。

そのうえで、合理的な理由がない場合には、有期労働契約を締結できないとする入口規制が必要不可欠だという主張です。

2つ目は、出口規制について言及しており、「期間は1年・更新は2回」程度に規制すべきだということです。

3つ目は、期間を超えた場合の取扱いについて「無期みなし」を規定すべきだとしています。建議では、「労働者の申し出」により、期間の定めのない労働契約に転換するとしていますが、これでは、「労働者の申し出」のないことを悪用されるおそれがあるということです。

4つ目は、正規労働者との均等待遇を原則とすることを明記すするよう求めています。
同じ仕事に従事しながら著しい賃金・労働条件の格差があることが大きな問題になっており、「均等待遇原則」を明確に規定し実効性を担保すべきだとの主張です。

昨今、非正規雇用の不安定性の問題が指摘されているところから、これを安定化させるという点から以上のような主張をしているということでしょう。

一考の必要があるかもしれません。

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2012年01月11日

パートへの厚生年金適用拡大、中小企業には猶予措置

社会保障と税の一体改革の一環として、パートタイマーへの厚生年金適用を拡大する方向になっています。

これまでは、週の労働時間が30時間以上の場合に、厚生年金の被保険者になるとされていましたが、これを20時間に短縮するということです。

ただ、これが実施されるということになると、保険料負担の問題が生じてきます。保険料は会社と労働者が折半することになっている訳ですが、企業の負担が重くなることから企業側からの反発があります。

特に、パートタイマーをたくさん使用している業種においては、その影響が大きいといえるのではないでしょうか。

そのようなことから、厚生労働省は中小企業への適用については当面は猶予措置を設ける方針のようです。

これは、300人以下の企業に対するものということです。また、300人超の企業においても対象者が月収9.8万円以上に制限する考えのようです。

いわゆる激変緩和措置ということになるでしょう。

パートへの厚生年金適用を拡大することで、約300万人〜400万人が新たに厚生年金へ加入することになることが推計されていますが、中小企業への適用猶予措置及び激変緩和措置によって、当面は数十万人程度にとどまるようです。

具体的な適用基準については、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会の部会で詰めることになっているということです。

その内容によって、企業の負担に違いが出てくることになるということですが、企業側がこれを受け入れるかどうかが焦点になってくるといえるでしょう。


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2012年01月05日

65歳までの雇用確保が無条件で義務づけらるのであれば不利益変更を容易にすべきという意見が多数

高年齢者の雇用については、年金支給年齢の引き上げに伴い、希望者全員を無条件で65歳まで雇用することを義務化する方向となっています。

これに対しては、企業側が大きな反発を示しています。

東京商工会議所が行った調査によると、「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度」の廃止について基準制度導入企業の56.8%が反対しているということです。

また、「基準が廃止された場合、経営に大きな影響がある」と回答した企業が47.4%あります。

影響があると回答した企業の約半数が「賃金制度等の見直し」や「若年者の採用抑制」をせざるを得ないとしているようです。

業種別では、「賃金制度など、労働者全体の処遇を見直す」と回答した企業は、建設業、製造業で多い結果となっています。

「新卒者の採用抑制を行う」と回答した企業が多いのは建設業、「高年齢者に相応しい職域開発が必要」という企業が多いのは、情報通信業となっています。

大きな影響があると回答した企業の66.3%が「正社員に対する不利益変更を容易にすべき」としています。

その内容では、「定年到達前の正社員に対する不利益変更を容易にすべき」というのが66.3%、「産業雇用安定センターや民間職業紹介事業所等を通じた出向・転籍、再就職についても雇用確保措置を講じたと認めるべき」とするのが50.5%となっています。

更に、「60歳以上の従業員に対する解雇の金銭解決制度を創設すべき」というものも46.5%あります。

以上のように、65歳までの雇用確保が無条件で義務づけられると、企業経営に大きな影響が出ることから、社員に対する不利益変更も認めるべきだとする意見が多くあるようです。
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2011年12月27日

有期労働契約のあり方についての報告(労政審)

有期労働契約については、労働基準法での規定があります。期間を定める契約をする場合は原則3年以内とされているところです。

ただ、実際には期間を定める契約を締結しても、1回限りで契約を終了することはまれではないでしょうか。

たいていは、契約を更新していることがほとんどでしょう。このときに問題になるのが雇い止めに関するトラブルです。

本来、期間が満了すれば契約を終了するのが当たり前なのですが、期間を定めない契約に転化されたと判断される場合には期間満了での契約終了ができないということです。

また期間契約労働者については身分が不安定だという問題も指摘されているところです。

そのようなことから、厚生労働省の労働政策審議会において有期労働契約のあり方について検討されています。

それによると、有期労働契約について一定年数を超えた場合には労働者の申し出により期間の定めのない契約に転換する制度を導入することが適当だとしています。

この期間がどのくらいになるかが問題ですが、5年程度を考えているようです。

また、前述した雇い止めについては合理的な理由がない場合には、判例法理に基づいて期間が更新されたものとして取り扱うよう法定化すべきであるともしています。

有期労働契約の労働者に対する処遇についても、職務の内容や配置の変更の範囲などを考慮して有期契約を理由とする不合理なものであってはならないとすべきだということです。

なお、1回の契約期間の上限については引き続き検討するとしています。
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2011年12月15日

2013年度から65歳までの雇用確保義務化へ

14日に厚生労働省の労働政策審議会の部会が開かれたようです。この会議で、65歳までの雇用確保措置について厳格化する方針が示されたということです。

現状の高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保を義務づけてはいますが、労使協定を締結することで一定の条件を設定することができることとなっています。

そのため、これに該当しない場合には希望しても雇用継続の対象にならないことがありました。

年金支給年齢が引き上げられる中で、年金も受けられず働けもしないケースが出てくるおそれがあり、労使協定による例外を撤廃するということです。

厚生労働省では、高年齢者雇用安定法を改正し、2013年度から実施する方向で考えているようです。

もし、これが実施されることになれば、企業の負担は大きくなります。

そのようなことから、経団連では現在の仕組みを継続することが望ましいとの考え方を表明しています。

一方で、連合は希望すれば65歳まで働ける環境整備が要望するとしており、経営側と労働組合側との考え方には違いがあります。

労働者全体にとってこの改正が朗報なのかどうかは難しいところもあります。

確かに高年齢者の雇用が確保されることは、望ましいということになるのでしょうが、それが若年雇用に影響するおそれもあるからです。

企業としては、賃金の引き下げや新たな採用を抑制するなどの対応を考えるのではないでしょうか。

労働者にとっても痛しかゆしというのが正直なところかもしれません。

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2011年12月08日

希望者全員を継続雇用すると人件費は1.8%増加(関西経済連合会)

厚生労働省は、高年齢者雇用について定年を65歳にするか、希望者全員を65歳まで雇用確保するか、2つの方法を模索しているところです。

ただ、定年を65歳まで引き上げる案については、労使ともに時期尚早との考え方で一致しているようです。

そうなると、希望者全員を65歳まで雇用確保する措置ということになる訳ですが、この場合でも企業側の負担は大きなものになることが予想されます。

関西社会経済研究所の試算によると、仮に65歳までの雇用確保が義務づけられた場合、2017年には、3.6兆円の人件費増加が見込まれるということです。

これは、企業の人件費を1.8%押し上げることになります。その結果、営業利益は21.1%も減少する見込みだということです。

高年齢者の雇用を継続することで営業利益が下押しされるということになりますので、企業としてはおいそれとこれを飲める状況にはないということになります。

65歳までの雇用確保を義務づけられた場合、影響はこれだけにとどまりません。

すでに指摘されているように、若年雇用者への影響も懸念されるところです。関西経済連合会の調査によれば、「新卒採用を中止・抑制する」を選択する企業は36.5%にのぼるということです。

このうち300人未満の企業が50.9%を占めており、中小企業への影響が大きいとしています。

さらに、現役労働者の賃金カーブも見直しされるのではないかとも指摘しています。つまり、賃金カーブが抑えられることが予想され、それによって労働者の生活設計も変わらざるを得ないのではないかということです。

以上のようなことを踏まえると、高齢社会に向けた65歳までの雇用確保は必要でも、おいそれと実施できるものではないということが分かるような気がします。

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2011年11月28日

派遣法改正案、製造業派遣・登録型派遣の原則禁止を修正する方向

周知のように、リーマンショック時に派遣切りの問題が生じたことから、派遣法改正案が国会に提出されているところです。

大きな改正点は、製造業派遣の原則禁止、登録型派遣の原則禁止などでした。また、違法派遣を行った場合には「みなし雇用」とするなどの内容も盛り込まれていました。

ところが、国会での審議はなかなか進まず、現在も継続審議の状況にあります。

改正案には、自民党や公明党が反対しているところから、国会通過の見通しも立っていないのが実情といえるのではないでしょうか。

そうした中で、政府は「社会保障と税の一体改革」を押し進めてゆく方針で、有期契約雇用の見直しも検討しています。

派遣法改正の審議が進まなければ、これらにも影響が出るおそれがあることから、政府は自民党や公明党からの反対がある派遣法改正案を修正する方向のようです。

その内容は、今回の規制強化の中心となっている製造業派遣の原則禁止、登録型派遣の原則禁止、についてこれを削除するということです。

また、「みなし雇用」制度についても、3年間の猶予期間を設けるなどとしています。

このように規制強化案を修正したうえで、臨時国会での成立を目指す考え方ではないかと思われます。

製造業派遣の原則禁止を削除することは、これまで派遣社員を受け入れていた企業にとっては朗報ということになるでしょう。

派遣社員にとっても、規制強化は一面で雇用減少にもつながるおそれがありますので、当面は一安心ということかもしれません。


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2011年06月24日

厚生労働省がセクハラ労災の認定基準を年内にも策定する方向

セクシャルハラスメントについては、男女雇用機会均等法によって、事業主に措置義務が課されているところです。

これは、セクハラ防止に関して周知啓発すること、セクハラに関する相談窓口を設置すること、セクハラが発生した場合の適切な対応をとること、です。

これによって、セクハラを防止しようというネライを持つものといえるでしょう。

ただ、現実にはセクハラを根絶するのはなかなか難しいといえるかもしれません。実際にセクハラを受けた人の中にはうつ病などを発症することもあるのではないでしょうか。

こうした場合は、労災ということになるのでしょうが、その認定は簡単ではないのではないかと思います。

これまでは、個別に判断してきていたようですが、認定のための調査に時間がかかっていたというのが実情のようです。

そのようなことから、厚生労働省ではこのほどセクシャルハラスメントについての労災認定基準を策定することにしたということです。

それによると、強姦や強制わいせつなどの被害を受けて働けなくなった場合は、事実を確認した時点で労災と認める方向のようです。

また体を継続的に触られたり、会社に相談しても対応がなかったりした場合は、「労災の可能性が高い」という判断をすることになりそうです。

厚生労働省では、年内に指針を作りあげ、全国の労働基準監督署に通達する方向で進めてゆくとしています。

これによって、セクハラに伴う労災認定が迅速に行われるようになれば、被害者にとっては朗報ということになるのではないでしょうか。
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2011年06月08日

65歳までの継続雇用制度、基準廃止を提言(厚労省研究会)

7日に開かれた「今後の高年齢者雇用に関する研究会」で継続雇用制度に関する議論が行われたようです。

それによると、現状の65歳までの継続雇用制度について、労使協定によって一定の基準を設定できるとされている点について、これを廃止すべきだとの合意がなされたということです。

高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置を義務づけていますが、これは定年延長、定年廃止、継続雇用制度のいずれかによって対応することができます。

実際には、継続雇用制度が大部分を占めているというのが実情です。しかも、原則的には希望者全員を対象とするとされているところ、労使協定によって一定の基準を定め対象者を限定することができます。

そのようなことから、65歳まで雇用されないケースもあるということです。

この点について、基準を設定する措置を廃止すべきだということになったようです。つまり、原則に立ち返って希望者全員を継続雇用の対象とするよう義務化するということです。

これは、労働者の側からすれば歓迎される措置ということになるでしょうが、負担の重くなる企業からは反発も予想されるところです。

定年の年齢を60歳から65歳に引き上げる措置についても、議論されたようですが、これについては今後の検討課題とするにとどめたようです。

さすがにそこまでは踏み込めなかったということかもしれません。
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2011年06月02日

育児介護休業法に関する相談件数が2010年度は倍増

改正育児介護休業法は昨年6月から施行されています。ワークライフバランスという観点から育児や介護と仕事の両立支援を目的とする改正でした。

例えば、3歳未満の子を養育する労働者に対する短時間勤務制度の義務化、同じく所定労働時間免除の義務化などです。

また、父親の子育て参加を促すネライで、子が1歳2カ月になるまで育児休業できるパパママ育休プラスなども導入されました。

そうした改正があったことからでしょうか。2010年度の育児介護休業法に関する相談件数が前年と比較して倍増したということです。

相談件数は、143,068件で、このうち事業主からの相談は112,558件で78.7%を占めています。

一方、労働者からの相談件数は10.193件で7.1%にとどまっています。

内容では、育児休業関係の相談が28,796件で最も多くなっています。これに続くのが所定労働時間の短縮等に関するもので、19.671件でした。

労働者が自らの権利等について相談した件数は4,907件で、前年度より609件増加しています。

内訳では、「休業に係る不利益取扱い関係」が1,543件と前年度からひきつづき最も多くなっています。

労働者の側からすれば、これが一番大きな問題ということかもしれません。
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2011年05月23日

厚労省が労組法上の労働者性の判断基準を検討

最近の雇用形態の多様化を受け、いろいろな問題が出てくるようになりました。先日も、業務請負の契約について最高裁で労働者性ありとの判断が下されています。

労働者であるか否か、どのような点から判断すればいいのか、悩ましいところがあるといえるでしょう。

これについては、すでに昭和60年の労働基準法研究会での報告があります。

このほど、厚労省では前述の最高裁の判決を参考にしながら労組法上の労働者性について検討したとのことです。

それによると、次のよう8つの視点から判断することを提案しています。トラブル防止の観点から自社における契約内容を確認してみるべきでしょう。

1.労務供給者が会社の事業活動に可欠な労働力を恒常的に供給する者として会社の事業組織に組み込まれていると言えるかを判断する。
2.個々の業務の依頼を労務供給者が拒否できないかを判断する。
3.契約の締結の態様から、労働条件を会社が一方的に決めているかを判断する。
4.労務供給者が、労務の提供にあたり時間的、場所的に一定の拘束を受けているかを判断する。
5.労務供給者が、会社の指揮監督の下に労務の提供を行っているかを判断する。
6.労務供給者の報酬が労務供給に対する対価又はそれに類するものと言えるかを判断する。
7.労務供給者が、自らの計算と危険負担に基づいて事業経営を行う事業主とみられるかを判断する。
8.労務供給者が会社にどの程度専属しているかを判断する。


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2011年05月20日

障害者雇用の改善がみられない6社の社名公表へ

「障害者の雇用の促進等に関する法律」第46条第1項では、法定雇用障害者数未満である事業主に対して、雇入れに関する計画を作成するよう命じることができるとされています。

そして、計画が著しく不適当であると認めるときは、厚生労働大臣はこれに対して変更を勧告することができますし、また実施についても勧告ができます。

更に、同法第47条において、正当な理由なくこれに従わなかったときは、その旨を公表することができるとされているところです。

厚生労働省が13日に発表したところによると、これに該当する会社が次のように6社あったようです。

1.株式会社ナガワ
2.キャリアビジネス株式会社
3.株式会社キャメル珈琲
4.株式会社ソリトンシステムズ
5.株式会社KATEKYOグループ
6.アイスター株式会社

確かに、個々の会社の事情もあるでしょうから、障害者雇用がなかなか進まないこともあるのかもしれません。

ただ、法律の定めを守らず、更に行政の勧告にも従わないというのは、やはり悪質といわざるを得ないのではないでしょうか。

企業は社会的な存在でもある訳ですから、法律を遵守することは当然のことではないかと思うのですが・・。経営者の姿勢が問われるところです。

posted by 人事診断士 at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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