2011年05月10日

2013年度に65歳への定年引き上げを提言(厚労省)

定年については、現状では60歳を下回ることはできないとされているところです。そのようなことから、大多数の企業においては60歳としているのではないでしょうか。

ただ、年金支給年齢が段階的に引き上げられてゆくことから、定年についてもこれに対応することが求められています。

現在の高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置を義務づけていますが、実際に65歳まで働ける企業の割合は46.2%にとどまっています。

これは、労使協定の締結により一定の条件を設定することもできるからです。

このままでは、年金は支給されず、また働く場を見つけられず給与ももらえない人が出てくることになります。

そのため、厚生労働省は定年を65歳に延長する法律改正を考えているところです。その提言を盛り込んだ報告書をまとめたということです。

それによると、2013年度に定年を65歳とする案、年金支給年齢の引き上げに対応して定年を65歳にする案、が考えられているようです。

これは、企業にとっては大きな負担になります。また、高年齢者の雇用によって若年層の雇用が失われるおそれもあります。

その点をどのように折り合いをつけるのか難しいといえるのではないでしょうか。

ただ、年金財政は厳しい状況にあり、年金支給年齢の更なる引き上げも必要ではないかとされている中で、何らかの措置を求められているといえるでしょう。

posted by 人事診断士 at 06:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月24日

余暇時間に行う自社製品の販売活動は労働時間になるのか?

経済情勢が良くない中、業績が伸びなくて四苦八苦している会社も多いのではないかと思います。

これを営業強化で打開するという考え方もあります。ただ、そのためには人員増強が必要になるでしょうから、おいそれとは実施できないというのが正直なところかもしれません。

であれば、今いる人材で営業強化ができれば、それに越したことはないということになるでしょう。

例えば、営業部門以外の社員に営業活動をさせるといったことが考えられるでしょう。ただ、当然の事ながら本来の業務がありますから、余暇の時間を営業活動にあててもらうといったことになるはずです。

この場合、その時間が労働時間となるかが問題になってきます。

本人からすれば、余暇時間であっても営業活動をするのだから、これは労働時間になるだろうということになるのではないでしょうか。

労働時間というのは、使用者の支配下におかれているかどうかによって判断されます。

余暇時間の販売活動がこれに該当するのかどうかが焦点になるでしょう。

2010年11月の大阪高裁での判決では、「販売作業は、その作業の時間、場所、方法は従業員が任意に決定でき、それを使用者が把握することはそもそも想定されておらず、従業員が使用者の指揮命令下に置かれていたとみることはできない」と判示しました。

地裁判決では労働時間と認めていましたので、これについてはまだ議論の余地があるといえるような気がします。

posted by 人事診断士 at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月22日

産科医の当直勤務は時間外労働にあたる

労働時間についての定義は労働基準法にも明確に規定されていません。そのようなことから、労働時間であるかどうかを巡る争いもよく起こります。

例えば、作業着への着替えの時間であるとか、夜間勤務における仮眠時間などです。

これらについては、裁判において、その時間が使用者の支配下に置かれたものであれば労働基準法で定める労働時間にあたるとされているところです。

つまり、就業規則で定められた勤務時間外であっても、使用者の支配下に置かれた状態にあれば、労働時間としなければならないということです。

当然のことながら、それに対しては賃金を支払わなければならないことになります。

そういう点から考えると、医師の当直勤務についても同じようなことになるのではないでしょうか。

このほど、大阪高裁での裁判で、病院の当直勤務は割増賃金が支払われる「時間外労働」にあたるとされた判決が出ています。

この裁判では、「入院患者の正常分娩や手術を含む異常分娩への対処など、当直医に要請されるのは通常業務そのもので、労働基準法上の労働時間と言うべきだ」と判示しています。

そのうえで、約1,500万円の支払いを命じました。

確かに、当直のお医者さんは患者に何かあれば対応しなければならない訳ですから、手待ちの状態にあるといえるのではないでしょうか。

手待ちであれば、これは休憩時間ではなく労働時間ということになります。
posted by 人事診断士 at 06:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月05日

東京地裁が添乗員に対するみなし労働時間制を認める

労働基準法には、みなし労働時間制の定めがあります。事業場外労働や裁量労働がその対象となります。

みなし労働時間制とは、「みなす」という法令用語が使われているように、事実がどうであれ法令や規定によってあらかじめ定められた時間を働いたものとして取扱うということです。

みなし労働時間制を適用されると、実際に残業をした場合であっても、所定労働時間を働いたものとみなされているときには残業代は支払われません。

そのようなことから、労働者の側からすれば納得がゆかないこともあるのではないでしょうか。

最近、問題になっているのが旅行会社の添乗員のケースです。一般的には添乗員にもみなし労働時間制が適用されていることが多いようです。

添乗員の場合、旅先での顧客への対応など長時間労働になる可能性が高いといえます。

みなし労働時間を短く設定しているような場合、実際に働いた時間の方が長くなってしまい残業代がもらえないということになります。

これについて、いくつか裁判になっていますが、9月29日の東京地裁での判決では、添乗員に対するみなし労働時間制の適用は妥当とされています。

この裁判では、「添乗員は長距離にわたる移動をし、旅程を管理するという業務の性質上、労働時間を認定することは困難が伴う」としてみなし労働時間制を認めています。

ただ、一方で請求された残業代の支払いも命じていますので両者の痛み分けといった結果になっています。

5月の東京地裁の判決はみなし労働時間制の適用を否定していますので、判断が分かれているのが実情といえるでしょう。

posted by 人事診断士 at 06:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月01日

派遣法改正に反対の派遣社員は55.3%

リーマンショックで一番大きな影響を受けたのが派遣社員ではなかったでしょうか。2008年の暮れには派遣切りがマスコミで大きく取り上げられました。

改めて派遣社員の身分の不安定さが浮き彫りにされたといえるでしょう。

そのようなことから、身分が不安定になりがちな日雇い派遣、製造業務派遣について原則として禁止するという派遣法の改正が検討されているところです。

今日、召集される臨時国会に提出される予定になっています。

この派遣法改正について、当事者である派遣社員はどのように思っているのでしょうか。

普通に考えれば、派遣社員の身分安定化につながる改正ですので大賛成ではないかという気がするのですが必ずしもそうではないようです。

東大社会科学研究所がまとめた請負・派遣社員の働き方に関する調査結果によると、派遣法の改正には派遣社員の55.3%が反対と答えたそうです。

賛成との回答は13.5%にとどまっています。

どうしてこのような結果になるのかということですが、派遣法の改正によって派遣で働けなくなるおそれがあることを危惧しているようです。

また、日雇い派遣や製造業務派遣を禁止しても正社員としての雇用を企業が増やすとは思えないという味方もあります。

確かに現状からすると、派遣法を改正したからといって正社員として雇用するかというとなかなか難しいというのが現実かもしれません。

それならば、むしろ海外の安い労働力を使おうという発想になるのではないでしょうか。

ただ、改正しない方がいいのかというと、これも問題があるでしょう。落としどころがなかなか見つからないというのが実情かもしれません。

posted by 人事診断士 at 06:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月21日

IFRS(国際会計基準)の導入で年次有給休暇の消化率が上がる?

上場企業に対しては、2015年からIFRS(国際会計基準)が強制適用される予定になっています。

国際会計基準の導入にあたっては、以前から退職給付債務が問題とされてきていました。いわゆる年金引当不足の問題です。これを負債として計上しなければなりません。

これは企業経営にとって大きな影響を与えることになります。

実は、このIFRSが意外なところにも関係してくるようなのです。

IFRSでは、未消化になっている年次有給休暇も債務として計上することとされています。これは、社員数、年次有給休暇残高、消化率などによって債務計算がされるということです。

つまり、社員数が多く、年次有給休暇の消化率が低い企業ほど債務が増えることになるということになります。

企業にとっては、これはなんとしても避けたいところでしょう。

とすると、社員の年次有給休暇の取得を促すよう動くことになるのではないでしょうか。

周知のように、日本企業における年次有給休暇の消化率は決してよくありません。2008年の消化率は47.4%にとどまっています。

最近は50%を下回り続けているのです。そんなことから、IFRSの導入によって、年次有給休暇の消化率が向上するのではないかと期待されているというわけです。

posted by 人事診断士 at 06:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月26日

厚労省が、雇用創出に向けベンチャー企業に対して税制優遇措置

景気の先行きに黄信号がともりはじめたこともあり、新たな雇い入れに対しては企業の慎重姿勢が目立ちます。

雇用が増えなければ、消費も回復しませんから、景気は更に冷え込んでしまうおそれがあります。

政府としても、これを放置しておくことはできないでしょう。そんなことから、さまざまな施策が検討されているところです。

厚生労働省も、正社員を増員するベンチャー企業に対して税制優遇措置をとることを検討しているようです。

設立5年以内の企業を対象に、正社員を増員した場合、初年度一人当たり30万円の税額控除を行うというものです。

2年〜5年目までは、増えた人員に応じた額が控除されることになるようです。控除額は、当該年度の税額の30%が上限とされています。

例えば、正社員を10人雇用すれば300万円の税額控除を受けることができるということです。

ただし、黒字企業でなければなりませんし、大企業の完全子会社なども対象とはなりません。

これも雇用を増やすための施策ということになるのではないでしょうか。





posted by 人事診断士 at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月02日

英国でも定年制廃止へ

日本の企業では、たいてい定年制が導入されています。定年は、停年とも表記されたりします。まさしくその年で働くことを停めるということです。

日本では、高年齢者雇用安定法によって60歳を下回ることはできないとされているところです。また、65歳までの雇用確保措置も義務づけられています。

ところで、ほかの国では定年についてどのような取扱いがなされているのでしょうか。

周知のように、アメリカでは年齢差別を禁止する法律があり、定年を定めることはできないとされています。

つまり、アメリカの企業には定年制はないということです。数年前、日本マクドナルドが定年制を廃止するということで話題になりましたが、アメリカの企業にはそもそも定年制がなかった訳ですから当然といえば当然だったのかもしれません。

このように、定年についての考え方は国によっても違いがあるということになります。

先日の日本経済新聞の記事によると、英国でも法律が改正され定年制が2011年10月に廃止されることになったそうです。

現状では、65歳以上での定年を認めていて、大部分の企業が定年を65歳と定めています。

今回の改正は、日本と同様に年金の支給年齢が引き上げられることに対応したもののようです。また、高齢者活用という側面もあります。

高齢者の扱いについては、どこの国でも悩ましい問題になってきているといえるのではないでしょうか。


posted by 人事診断士 at 06:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月27日

バイク便請負運転手も労働者


民法では、労務供給形態の契約について、雇用契約、請負契約、委任契約といった区分をしています。同じ労務供給契約であっても、民法上は異なる取扱いがなされるということです。

会社で雇用されていれば、雇用契約ということになりますし、建築請負のように仕事を完成することを約束する場合は請負契約になるということです。

請負契約の場合には、発注者と受注者の間には支配従属の関係はありません。したがって、労働基準法などの法律は適用されないことになります。

仕事を依頼する側からすれば、受注者は独立した存在ということになりますので、使用者としての責任を負う必要がないということです。

会社の側からすれば、それだけリスクが低くなるということになりますので、その点でメリットがあるといえるでしょう。

そのようなことから、雇用契約ではなく請負契約や委任契約の形態で契約締結をすることもあるのではないでしょうか。

しかし、これは名目上の契約関係で判断されるのではなく、実態がどうかということで判断されることになります。

街中でよく見かけるバイク便の運転手も、一般的には独立した自営業として会社との間で請負契約を結んでいるようです。

なんとなく、そうなのかなという気もするのですが、実態として会社との間で支配従属の関係があれば労働者ということになります。

このほど、中労委はこのバイク便の運転手について労働組合法上の「労働者」に当たると認定し、会社に対して、労働組合との団体交渉に応じるよう救済命令を出したということです。

形のうえではともかく実態は「労働者」だと判断したということでしょう。

posted by 人事診断士 at 06:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月22日

厚労省が無条件で65歳までの雇用を義務づける法改正を検討中

周知のように、高年齢者雇用安定法では65歳までの雇用確保措置を義務づけています。60歳定年の場合であれば、当該定年を延長するか、又は廃止するなどの措置が必要だということです。

通常は継続雇用制度を導入し、65歳まで勤務延長するか再雇用する措置が取られていることが多いでしょう。

この措置については、現状労使協定を締結することで一定の条件を設けることができるとされているところです。

この基準に該当する人だけを継続雇用制度の対象として限定することも可能だということです。

企業の側からすれば、この基準を設けることで全員を継続雇用しなくてもいいということになります。それだけ負担が軽減されるということでもあります。

逆に労働者の側からすれば、継続雇用の対象からはずれることで収入の道がなくなるおそれがあるということになるでしょう。

そのようなことから、厚生労働省は継続雇用に関する上記の暫定措置を廃止する方向で法改正を検討しているようです。

つまり、本来の法の趣旨である無条件で全員を継続対象とするよう、徹底するということです。

平成12年の通常国会に改正案を提出する方向で考えているようです。

企業の側も社内的な態勢を整備しておく必要があるでしょう。

posted by 人事診断士 at 07:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月13日

会社分割による転籍には十分な説明が必要

会社と労働者の間には、労働契約が締結されています。労働者は、労務の提供を行い、その対価としての報酬を受け取ることになります。

この場合、会社は指揮命令権を保有しています。労働者は会社の指揮命令に従い業務に従事するということです。

この指揮命令権について、民法では労働者の承諾がなければ第三者に譲渡してはならないと規定しています。

例えば、関連会社に出向させ、その指揮命令のもとで仕事をさせるような場合には、本人の承諾が必要だということです。

一般的には就業規則に出向の規定を定め、これによって包括的な承諾を得ていることが多いのではないかと思います。

一方、会社を移ることになる転籍の場合には、就業規則の規定だけでは足りないとされているところです。規定の有無にかかわらず本人に承諾を得なければならないということです。

ただ、ある事業を分割して新会社を設立するような場合にすべての社員の個別の承諾を得るというのは現実的ではありません。

そのようなことから会社分割においては、労働契約承継法によって、分割される部門の社員は別会社にそのまま引き継がれることとなっています。

ただ、これが無条件で認められるということになると労働者が不利益を被ることもあるのではないでしょうか。

昨日行われた最高裁での判決では、「企業が従業員側と協議を全く行わなかったり、協議の内容が著しく不十分だったりした場合には、転籍は無効となる」との判断を示しています。

これは、日本IBMがハードディスク部門を別会社化したうえで社員を転籍させ、その後、日立製作所側に売却した事案です。

これを不服とした社員が訴えていたものですが、このケースでは「協議が不十分だったとは言えない」とし、転籍は有効と結論づけました。


posted by 人事診断士 at 06:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月02日

富士通社員がいじめでうつ発症、地裁が労災認定

会社と個人の間のトラブルである個別労働紛争は、右肩上がりで増加してきています。厚生労働省の発表によれば、平成21年度の相談件数は247,302件だったということです。

相談件数で最も多いのは解雇に関するもので、24.5%を占めています。続いて労働条件の引き下げが13.5%で2番目に多いものとなっています。

3位に入っているのが、いじめや嫌がらせで12.7%でした。

最近の傾向としては、このいじめや嫌がらせの相談件数が増加していることがあげられるでしょう。

なかには、このいじめや嫌がらせが原因で精神疾患を発症するケースもあります。それだけ深刻な状況にあるといえるかもしれません。

これが労災になるかどうかも問題になってきます。

富士通の社員がいじめや嫌がらせで、うつを発症したとして療養補償を求めたケースでは、労働基準監督署は業務との因果関係がないとしてこれを拒否しました。

ところが、この処分の取り消しを求めた訴訟で大阪地裁は因果関係を認めています。

地裁は、このいじめについて「長期におよぶ陰湿なもので常軌を逸している」と指摘し、「意を決して相談した上司は何の防止策も取らず、女性が失望感を深めたとうかがわれる」と判じました。

そのうえで、労働基準監督署の処分を「不適法」としています。


posted by 人事診断士 at 06:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月28日

メールでの叱責が名誉感情の侵害?

部下がミスをすれば、上司とすれば当然それを叱ることになるのではないでしょうか。このようなことは当たり前に行われていることだと思います。

ミスを繰り返さないよう注意するというのが、上司の気持ちということになるでしょう。

ただ、この場合、それが行き過ぎてしまうと、民法第709条に規定されている不法行為ととられることがある点に留意すべきかもしれません。

上司からのこうした叱責でうつ病を発症するなどといったことも考えられます。それがトラブルにもなりうるということなのです。

例えば、保険会社のサービスセンター長が意欲がない、やる気がないなら会社を辞めるべきだというメールを部下の課長代理とその同僚に送ったことに対して東京高裁では慰謝料5万円の支払いを命じています。

東京地裁においては「業務成績の低下防止のため奮起を促す目的でメールを送信したことは十分に肯首できる」としていました。

しかし、東京高裁では「退職勧告とも、会社にとって不必要な人間であるとも受け取られない表現であり、指導・激励の表現として許容される限度を逸脱している」と判断しました。

このように、ミスを叱責することが不法行為になることもあり得る点には留意が必要かもしれません。

また、会社は安全配慮義務違反を問われる可能性もありますので、叱責する場合も行き過ぎには十分な注意が必要でしょう。
posted by 人事診断士 at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月18日

厚生労働省のイクメンプロジェクトが始動


周知のように、今月30日から改正育児・介護休業法の主要な内容が施行されることになっています。

今回の改正は、ワークライフバランスという観点から行われたものといえるでしょう。

この中に、男性の育児休業取得率を向上させるための施策が盛り込まれています。例えば、父母ともに育児休業をする場合、子供が1歳2カ月まで取得可能とするパパママ育休プラスなどです。

この改正法の施行に合わせて、昨日から厚生労働省がイクメンプロジェクトを始動させたようです。

これは、働く男性が、育児をより積極的にすることや、育児休業を取得することができるよう、社会の気運を高めることを目的としたものだということです。

このPRのために、「イクメンの星」の公募や、「イクメン宣言」、「イクメンサポーター宣言」の募集を始めています。

男性の場合、なかなか育児休業が取れるような状況にないというのが実態かもしれません。それを少しでも改善しようということでしょう。

中には、トップ自らそれを率先しようとしているところもあります。例えば、今年3月には文京区長が育児休業を取得するということで話題になりました。

また、サイボウズでも社長が2週間の育児休暇を取得し、男性の育児休業取得のきっかけにしようとしています。

中小企業では、なかなか真似ができないことかもしれませんが、もう一度ワークライフバランスという点から考え直してみる必要があるのかもしれません。

posted by 人事診断士 at 06:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月16日

根づくか時間単位年休

改正労働基準法が4月から施行されているのは、周知のとおりです。今回の改正は、長時間労働を是正することに主眼がおかれています。

また、ワークライフバランスに配慮するという観点から、時間単位年休の制度も導入されているところです。

時間単位年休を導入するためには、一定の事項について労使協定を締結することが必要とされています。

そのうえで、本人の意思によって時間単位年休を取得できるというものです。

使い勝手という側面から考えると、労働者にとっては便利な点もあるのではないでしょうか。逆に会社の側からすれば、煩雑な手間が増えるということにもなります。

そのようなことから、時間単位年休が浸透するのかどうか、その動向が気になるところです。

既にこの制度を導入している企業としては、セコムがあります。同社では、育児中の社員などを対象として時間単位年休を取得できるようにしています。

そのほか大和ハウス工業も導入し、5月の1カ月だけで1,000人の利用者があったということです。

利用目的は、通院や子供学校行事への参加などが、主なもののようです。やはり便利さという点が評価されているということでしょう。

このように、時間単位年休も少しずつ導入され始めていますが、前述したような点もあり、根づいてゆくのかどうか注目されるところです。
posted by 人事診断士 at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月08日

定期健康診断でうつ病検査


最近は働き世代を中心に精神疾患を発症する人が増加してきています。

その背景には、リストラにより一人当たりの仕事の分担が増えたことや成果主義の浸透によるストレスの増大など、理由はいろいろあるのでしょう。

いずれにしても、いかにこれを抑えるかが大きな課題になってきているといえるのではないでしょうか。

つまり、予防と発症した場合の措置をどうするかが重要だということになります。

そのようなことから、厚生労働省からは既にメンタルヘルス指針が公表されているところです。

さらに今回、予防という観点から定期健康診断で精神疾患のチェックをすることを検討しているようです。

これは、同省で作成している職業性ストレス簡易調査票を活用する予定だということです。

この調査票では、「時間内に仕事の処理ができない」、「上司に気軽にはなしができるか」、など約60項目の質問事項が用意され、これでチェックを行うようです。

これで状況把握ができるということになりますが、この診断結果を不当な配転などに使われるおそれもあります。

そこで、労働安全衛生法には労働者の不利益にならないよう明記する方針だということです。

このような取り組みで精神疾患の発症を少しでも抑えたいということでしょう。
逆にいえば、それほど深刻になってきているといえるのかもしれません。
posted by 人事診断士 at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月03日

福岡地裁が内々定取消に195万円の慰謝料支払いを命令

リーマンショック後に問題になったのが、採用内定の取り消しでした。急激な景気悪化で、企業側も対応できずやむを得ず内定を取り消したということでしょう。

しかし、学生の側からすればはしごを外されたようなもので、大変な迷惑を被ったということになります。

そのようなことから、会社の対して損害賠償を求めるケースもありました。

採用内定について、最高裁では解約権留保付始期付労働契約の成立と判断しています。したがって、これを取り消す場合には客観的、合理的でなおかつ社会通念上相当と認められる理由が必要とされます。

それでは、内定前の内々定を取り消すというのはどうなのでしょうか?これについての裁判が昨日(2日)福岡地裁であったようです。

これは、内々定を取り消された20代の元学生2人が会社を相手取って損害賠償を求めていたものです。

これについて、裁判所はこの訴えを認め195万円の慰謝料支払いを命じたということです。

判決では、内々定について「正式内定までの間、企業が大学卒業予定者を囲い込み、他企業への就職を防ごうとする活動」とし、「学生への期待を不当に侵害した」と判じています。

ただ、内々定では労働契約は成立していないとも判断しています。この点が内定とは異なるということでしょう。

posted by 人事診断士 at 06:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月17日

旅行添乗員には事業場外労働としてのみなし労働時間制は適用できない?

労働基準法には、みなし労働時間制についての規定があります。これは事業場場外で働いている場合や裁量労働制が適用される場合が該当します。

みなし労働時間制が適用されれば、実際に働いた時間ではなくあらかじめ定めた時間を働いたものとして賃金を支払えばいいことになります。

そのようなことから、最近は裁量労働制を導入する企業も多いのではないかと思います。

また、従来から営業担当者などには事業場外労働としてみなし労働時間制を適用していた会社もあるのではないでしょうか。

これは何も営業担当者に限られる訳ではありません。事業場外で働いているケースであれば適用される可能性があります。

そういう意味では、旅行会社の添乗員なども事業場外労働の対象と考えることができます。

旅行会社の阪急トラベルサポートでも添乗員に対してみなし労働時間制を適用し残業代を支払っていなかったようです。

そうしたところ、添乗員の一人がみなし労働時間制は適用されないとして、未払いになっている残業代の支払いを求めて裁判に訴えたということです。

その判決が11日の東京地裁でありました。

この裁判では訴えを認め、未払い分約56万円と同額の付加金も認定しています。

阪急トラベルサポートでは、添乗員にマニュアルで業務を詳細に指示してツアーを管理し、モーニングコールで遅刻を防ぐ措置などを講じていたということです。

そのため、労働時間の把握は可能として、制度の適用条件を満たしていないと結論づけています。

そのうえで、「派遣添乗員には制度が適用されないとする労働基準監督署の指導にも従わず、過去の割増賃金を支払う姿勢がない」として会社の態度を批判しました。

経営側の立場にある人は心しておくべき必要があるでしょう。

posted by 人事診断士 at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月12日

改正育児介護休業法施行に向けての対応が必要

ご存じのように育児介護休業法が改正され、主要な内容が6月30日から施行されることになっています。

今回の改正点としては、男性の育児休業取得を促すパパママ育休プラス、短時間勤務制度及び所定外労働免除の義務化などがあげられます。

短時間勤務制度及び所定外労働免除の義務化は3歳までの子を養育する者が対象とされています。

育児をする労働者の負担軽減措置ということができるかもしれません。

従来は、これらのほかフレックスタイム制の適用や勤務時間の繰り下げ繰り上げなどの措置のうちいずれかを選択して導入すればよかった訳ですが、今回の改正で、上記2つについては義務化されることになりました。

こうした改正に対応する形で、社内の制度を見直す必要があります。

具体的には就業規則や育児介護休業の規定について、該当する部分の改正が必要になります。

特に短時間勤務制度については、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものでなければならないとされています。

そのうえで、1日の所定労働時間を7時間にする措置など、労働者の選択肢を増やすことは望ましいとしています。

いずれにしても、施行時期を1カ月半後に控えていますので、早急な対応が必要ということになるでしょう。

posted by 人事診断士 at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月28日

有期労働者の保護強化へ入り口と出口での規制を模索

パートタイマーや、契約社員また派遣社員など、いわゆる非正社員の雇用が不安定であることはよく指摘されるところです。

それが象徴的に現れたのが、リーマンショック後の派遣切りの問題だったといえるでしょう。

そのようなことから、日雇い派遣などを原則禁止とする派遣法の改正が行われる方向で進んでいるのは周知のとおりです。

実はこの派遣法改正以外にも、有期契約労働者に対する保護施策が必要ではないかということで、厚生労働省の研究会が検討を行っています。

それによると、入り口と出口での規制を考えているようです。

入り口というのは、契約段階での規制ということになります。有期労働として契約できる対象労働者を限定するというものです。

これはフランスの法律を参考にしているということです。

一方の出口規制は、契約終了時のルールということになります。これは、契約更新回数の制限や途中での契約解除を禁止する措置などです。

フランスでは、入り口にも出口にも規制があるようですが、アメリカにはいずれの規制もありません。日本も現状では両方とも規制がありません。

厚生労働省はいずれか一つについての規制を考えているようですが、民主党政権は両方に規制をかける意向のようです。

どのようなことになるか、今後の動向を見守る必要があるでしょう。

posted by 人事診断士 at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
最近のコメント
働く女性でセクハラを経験している割合は16.8%(連合調査) by きちがいは関汽交通旅行部の里〇です、 (08/22)
働く女性でセクハラを経験している割合は16.8%(連合調査) by 連合・サービス連合傘下の (07/01)
働く女性でセクハラを経験している割合は16.8%(連合調査) by 関西汽船南港乗船券販売所・関汽交通社 (06/23)
卒業方式と入学方式 by アディダス 店舗 (09/26)
卒業方式と入学方式 by puma ゴルフシューズ (09/26)
最近のトラックバック
過去ログ

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。