2010年04月15日

変形労働時間制なのに残業代の支払いが命じられた?

労働時間を有効に活用できる仕組みとして変形労働時間制があります。形を変えた労働時間制ということです。

これは1週間の労働時間が平均して40時間以内であれば、忙しい日や忙しい週に法定労働時間を超えて働いても残業代を支払う必要がないというものです。

つまり、閑な時間を忙しい時間に振り向けることができるということになります。

この変形労働時間制には、1カ月単位、1年単位、1週間単位の非定型的変形労働時間制の3つがあります。

一番多いのは1カ月単位の変形労働時間制ではないかと思います。

ところで、変形労働時間制であるにもかかわらず残業代を支払えという判決が7日に東京地裁であったようです。

これは、大手飲食店のアルバイトが訴えていたものです。

判決によると、「就業規則などで制度の内容を明らかにしておらず、労働基準法上の要件を満たしていない」として、会社に対して約20万円の支払いを命じています。

また、「十分な根拠なく支払いを拒んだ」として、労基法に基づく支払い拒否の付加金も認容額に加えたということです。

変形労働時間制を導入するためには、就業規則への規定や労使協定を締結することが求められます。

これらの手続きがなされていなかったということでしょう。変形労働時間制を導入している企業においては今一度確認してみる必要があるでしょう。

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2010年04月06日

非正社員の雇用安定化をめざした改正雇用保険法が成立

リーマンショックのあった一昨年は派遣切りが社会的な問題となりました。多くの企業で派遣契約が打ちきられ、路頭に迷う派遣社員が急増したためです。

こうした人たちは、本来ならセーフティネットによって救われるべきなのに、そうした仕組みがなかったことが問題だと指摘されたところです。

そのようなこともあって、雇用保険への加入要件が昨年から緩和されていました。それまでは1年以上雇用が見込まれることが必要でしたが、これが6カ月に短縮されたのです。

しかし、現在もまだ雇用情勢は厳しい状況が続いています。

非正社員の雇用の安定化が課題であることに変わりはなく、セーフティネット機能の強化が求められているところです。

そうしたことから、次のような内容の改正雇用保険法が先月末に国会で成立しました。

(1)雇用保険の適用範囲を31日以上雇用見込みの者に拡大(週所定労働時間の要件は旧法と同じ20時間以上)
(2)事業主の責により雇用保険に未加入とされた者に対する2年を超えた遡及適用
(3)失業等給付の積立金から雇用安定資金に借り入れる仕組みの暫定的措置
(4)雇用保険二事業の保険料率に係る弾力条項の発動停止

これによって、非正社員の雇用の安定が少しは期待できるということになるのではないでしょうか。

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2010年03月18日

派遣法改正案固まる

昨年来、懸案となっていた労働者派遣法の改正案が固まったようです。今国会に提出され、早ければ、 年内にも実施されることになりそうです。

主要な改正点は、登録型派遣は専門26業務のみとする、製造業派遣は常用雇用型派遣以外は認めない、の2つということです。

いずれも派遣社員の雇用安定化に向けた措置ということになるでしょう。

まず、登録型派遣については専門26業務だけに限定されるということですので、 派遣先企業の側からすれば使い勝手が悪くなるということになります。

リーマンショックで問題とされたのが製造業派遣でした。この製造業派遣も常用雇用型のみが認められることになっています。

つまり、登録型での派遣はできないということです。

そのほか、直接雇用みなし制度が創設されています。これは、違法派遣が行われたような場合に、派遣先を雇用主とみなすというものです。

派遣社員が希望すれば、派遣先はこの派遣社員を直接雇用しなければならなくなるという訳です。

当然、派遣社員の待遇がよくなるということでしょう。

また、当初は労使で合意されていた事前面接について、社民党と国民新党がこれを削除するよう求め、そのように修正が加えられています。

今回の改正で、派遣社員を活用してきた派遣先には大きな影響が出ることになるのではないでしょうか。

 

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2010年03月09日

時間単位年休の制度は根づくのか?

周知のように、4月から改正労働基準法が施行されます。今回の改正は、 長時間労働是正と仕事と生活の調和を図るとことにネライがあります。

長時間労働抑制策としては、月間60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が引き上げられることになっています。

一方、仕事と生活の調和という観点からは、時間単位の年次有給休暇が取得できることとされました。 年次有給休暇の使い勝手がよくなるということです。

労働者側にとってはメリットがあるということになるでしょうが、企業の側からは必ずしもそうとはいえないようです。

手続きが煩雑になること、また時間単位で年次有給休暇を取得されると、業務にも支障が生じるおそれもあります。

これについては、労使協定において適用除外とすることも可能ですが、 時間単位年休の導入にはあまり積極的にはなれないというのが正直なところなのではないでしょうか。

そんな中、大和ハウス工業が時間単位年休の制度を導入することにしたということです。

同社の場合、年休の取得率は34%にとどまっていることもあり、全体の平均取得率である47%を下回っています。

そのようなこともあり、年休取得率を向上させるという意味からも時間単位年休の導入に不踏み切ったようです。

これが嚆矢となって、ほかの企業にも根づくことになるのでしょうか。注目されるところです。

 

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2010年02月25日

労働安全衛生法が改正され、会社でたばこが吸えなくなる?

たばこが人体に及ぼす影響は、既に知られているところです。しかも、喫煙者だけでなく、 喫煙者が吐き出した煙を吸う受動喫煙も問題視されるようになってきています。

そのようなことから、最近は公共の場所では全面禁煙にするところもありますし、コーヒーショップなどでも分煙策がとられています。

一般の会社でもそうした措置をとっているところもあるのではないでしょうか。 厚生労働省でもガイドラインで喫煙室や喫煙スペースを設けるよう勧めています。

ただ、これはあくまで指針であって法律ではありません。

こうしたことから、もっと強制力のある法律で義務づけることを検討しているようです。

それによると、一般の事務所や工場などでは「全面禁煙」とするか「空間分煙」とすることを義務化するということです。

空間分煙の場合は、喫煙室から喫煙室以外に煙りが漏れないよう一定の基準をクリアしなければならないとしています。

もっとも、飲食店などではお客さんが喫煙することもあるでしょうから、これについての全面禁煙は適当でないとしています。

そのようなケースでは、従業員にマスクを装着させるなどの措置が求められます。

また、 事業所内で継続的に取り組むための受動喫煙防止対策に関する組織を設置するとともに責任者を選任しなければならないともされています。

以上のような形で労働安全衛生法の改正が検討されるということですので、 喫煙者はますます肩身の狭い思いをしなければならなくなるのではないでしょうか。

 

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2010年02月15日

協同労働という働き方

普通のサラリーマンは、会社に雇用されて働いています。資本家がお金をだし、 株主から選任された経営者が経営するという形をとっています。

そのほか、企業組合形式で働いている場合もあるでしょうし、NPO法人という形態もあります。

そんな中、最近、注目されているのが協同労働という働き方です。

これは、資本家ではなく働く人が自ら出資して起業するものです。同時に経営にも参画することになります。

資本家でもあり、経営者でもあり、労働者でもあるということです。平等な立場で働くことができるという意味で、 労働者にとっては新しい働き方といえるのではないかと思います。

ただ、現状ではわが国には協同労働の根拠となる法律がないようです。

そこで、現在、立法が検討されているということです。それによると、協同労働の形態でも法人格が持てるようになります。

また、設立に必要な人数は3人以上、組合員の議決権は出資口数にかかわらず、1人1票とされています。

こうした働き方ができるようになれば、会社から一方的に解雇されるといったことはなくなるのではないでしょうか。

もっとも、船頭多しで、運営は容易ではないかもしれませんが・・。

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2010年01月21日

雇用保険の加入要件が緩和の方向

景気の悪化に伴い、派遣社員を中心とした非正社員の雇用が不安定化しています。特に、短期雇用者の場合、 失業しても保険給付を受けることができないことが問題視されました。

そのようなことから、昨年雇用保険への加入要件がそれまでの1年以上から6カ月以上に短縮されたところです。

これによって、雇用の安全網が広げられた形になった訳ですが、雇用情勢はいまだに回復する気配が見られません。

雇用の安全網を更に広げる必要性があることから、今国会に雇用保険法の改正案が提出されることになっています。

それによれば、雇用保険への加入要件が、6カ月以上から31日以上に短縮されるということです。

この緩和によって、パートタイマー等約255万人が雇用保険に加入できることになるようです。

雇用の安全網は広がりますが、一方で保険給付を受ける人も増加してきており、収支悪化を防ぐために保険料は上がることになります。

失業等給付に係る保険料率は、0.8%から1.2%に引き上げられます。これは、 働く人の負担となってはねかえってくることになりますが、これもやむを得ないことなのかもしれません。

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2010年01月18日

地域の住民活動に参加した社員を懲戒処分できるか

たいていの会社の就業規則の中には、懲戒規定の中に「会社の信用を失墜させた場合や会社の体面を汚した場合」 が定められているのではないでしょうか。

例えば、就業時間中に社内でビラを配布して企業の円滑な運営に支障をきたしたケースで、これに該当するとした判例もあります。

この場合、会社の体面を汚す行為というのはどういうものか、が問題になってくるでしょう。

これが明確な形で分かるようなケースであれば、問題はないでしょうが、実際にはなかなか難しいというのが正直なところかもしれません。

例えば、地域活動として住民運動に参加するようなケースが会社の体面を汚す行為になるかというと、 判断は分かれるのではないでしょうか。

会社の名前を出して、この活動に積極的に参加するといったことになると、会社に対して迷惑がかかることになるおそれがあります。

そのような場合であれば、懲戒規定に基づいて懲戒処分を行うことも可能かもしれません。ただ、 そうしたケースでも必ずしもそれが認められるとは限らないのではないでしょうか。

会社の事業内容であるとか、当該社員の会社における地位など、 総合的に判断したうえで懲戒処分が有効かどうかが決まるということになるのではないかと思います。

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2009年11月10日

日本労働弁護団が有期労働契約法立法を提言

昨年のリーマンショックに端を発した派遣切りは社会問題となりました。 派遣社員の置かれた状況の厳しさが改めて確認されたといっていいでしょう。

これは派遣社員だけの問題というより、正社員以外の社員つまり非正社員の問題といってもいいのではないでしょうか。

非正社員というのは、一般的には期間を定めて雇用されているケースが多いのではないかと思います。

期間を定めて雇用するのは、臨時的に人手が足りなくなったからというのが本来の考え方でしょう。

ところが、現実には恒常的な仕事にも期間を定めて雇用していることが多いのではないかということです。

これは、受注の増減に柔軟に対応するためともいえます。有期の契約であれば、必要に応じて契約を終了することができるからです。

これは企業とすれば当然のことなのでしょうが、労働者の側からすればそこに問題があるということになるのではないでしょうか。

本来的な考え方に基づく有期雇用であれば、こうした問題は生じないはずです。

そこで、有期雇用はそうした場合に限定すべきとする立法を主張しているのが日本労働弁護団です。

@休業又は欠勤する労働者に代替する労働者を雇い入れる場合、A業務の性質上、臨時的又は一時的な業務に対応するために、 労働者を雇い入れる場合 、B一定の期間内に完了することが予定されている事業に使用するために労働者を雇い入れる場合、 でなければ有期雇用を認めないとする法律を制定すべきだというのです。

しかも期間は、3年を上限とするとしています。

考え方としては理解できるのですが、実現できるかどうかは難しい点があるように思います。

 

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2009年10月26日

男女差別による賃金格差は違法(最高裁が決定)

労働基準法では、第3条において「労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、 差別的取扱をしてはならない」と規定しています。

また、第4条では、「労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」 と男女同一賃金の原則を示しています。

ただ、現実には男性と女性で違う賃金決定がなされていることも多いのではないでしょうか。

それが性別を理由とするものであれば、これは労働基準法違反ということになります。ただ、性別を理由とするのかどうかについては、 なかなか難しい判断になるというのが実情ではないかと思います。

総合商社「兼松」の元女性社員ら6人が、男女差別による賃金格差は違法として、差額賃金などを求めた訴訟でも、 会社側は性別による差別ではなく職務内容が違うコース別賃金制度による格差であると主張していたようです。

これについて、最高裁は会社と社員側双方の上告を退ける決定をしたということです。これによって、 「男女の違いで賃金を差別する状態をつくり、維持した措置は違法だ。4人は一定の経験を積み、男性と同程度の困難な職務をしており、 合理性のない差別」と判断した二審の判決が確定することになりました。

訴えていた4人に対して、合計7,200万円が支払われることになるようです。

もっとも残る2人に対しては、「職務内容から給与の格差が違法とまでは言えない」としています。

このように、職務内容が違うのであれば、男女による賃金格差があっても問題はないということになるのですが、 その判断をどう行うかは容易ではないといっていうのが正直なところではないでしょうか。

 

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2009年10月13日

「庄や」を展開する大庄も店長に残業代を支給へ

名ばかり管理職の問題が浮上したのは、昨年初めです。その後、マスコミでも大きく取り上げられたことから、 この対応に追われた企業も多かったのではないかと思います。

きっかけとなった大手飲食店企業が、今年になって和解に応じたことから、最近はこの問題も一段落した形になっています。

しかし、すべての企業において解決したのかということになると、そうとは言えないのではないでしょうか。

まだ、あいまいなまま放置している企業もあるのではないかと思います。マスコミ等での追及が下火になれば、 元の状態の逆戻りする可能性もあります。

しかし、違法な状態を放置しておいていいはずはありません。どこかで、きちんとした対応をすべきでしょう。

そうした中、居酒屋チェーン「庄や」を展開する大庄も店長に対して残業代を支払う制度を導入することにしたようです。

店長や調理長など5つの役職に対して、役職手当に代えて残業代を払うことにしたということです。

同社では、すでに役職手当で不足する残業代について、過去2年間さかのぼって5億5千万円も支払うということです。

 

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2009年10月09日

派遣規制を強化する労働者派遣法の審議始まる

昨年のリーマンショックで始まった世界同時不況ですが、その影響で昨年末は派遣切りの問題がマスコミを賑わせました。

これをきっかけに、労働者派遣法の改正がとりざたされるようになったのは周知のとおりです。

民主党などの与党からは、登録型派遣と製造業派遣を原則的に禁止する改正案が示されていますが、これについては、 いろいろと議論のあるところです。

これについて、厚生労働省の労働政策審議会において議論が始まったようです。

労働者派遣法を改正することについては、政労使ともに異論はないということですが、その中身については、 それぞれの思惑があり簡単にはゆかないのではないでしょうか。

経営者側は、製造業派遣を禁止することについて反対の姿勢を示しています。派遣には雇用調整の意義があり、 派遣禁止によって企業の雇用コストが上昇するという主張です。

ひいては、コスト競争力が低下することから、結果として国内での雇用が減少することになるというのです。

一方、労働者側からは、派遣労働者の賃金の低さ、短期派遣により技能が身につかず正社員への転換が難しい、 などの理由から大胆に見直すことが主張されているようです。

与党は、派遣労働者の雇用安定を目指している訳ですが、この審議会でどのように議論が進むことになるのか注目されるところです。

厚生労働省は、年内に改正案をとりまとめる方向のようです。

 

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2009年09月01日

改正育児介護休業法の一部が9月30日から施行

ワークライフバランスの観点から、育児介護休業法が改正されたのはご承知のとおりだと思います。

育児休業を取得する場合、子が満1歳になるまでというのが原則ですが、夫婦で取得するのであれば、子が1歳2カ月まで延長されることになっています。

また、介護のために必要であれば、1人につき年間5日まで、2人以上の場合には10日まで取得できる介護休暇も新設されています。

合わせて、看護休暇についても、対象者が2人以上いる場合には年間10日までと拡充されました。

そして、実効性を確保するために、勧告に従わない場合には企業名を公表するなどの措置がとられることとなっています。

これらについて、3段階で施行される予定です。

第一次施行として、9月30日から次の事項について施行されることとなりました。

1.都道府県労働局長による紛争解決援助制度
2.法違反に関する勧告に従わない企業に対する企業名の公表
3.報告を求めた場合に報告をせず又は虚偽の報告を行った場合の過料

法律違反した場合に、勧告に従わなければ罰則を受けることになるということです。

第二次施行は、紛争に関する調停制度などについて平成22年4月1日からとされています。

さらに残る第三次施行は、公布の日から3年以内の政令で定める日からとなっています。

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2009年08月20日

ホワイトカラーエグゼンプションが働き方に与える影響

割増賃金率引き上げが盛り込まれた改正労働基準法は来年4月から施行されることとなっています。

今回の改正の主眼は、長時間労働の是正という点にあります。時間外労働の割増率を引き上げることで長時間労働を抑制することを狙ったものといえるでしょう。

ご承知のように、当初の考え方の中には、労働時間規制を適用除外するホワイトカラーエグゼンプションも含まれていました。

しかし、これについては労働者側からの反発が大きかったことから、改正案へ盛り込むことは見送られたところです。

労働者側からの反対理由は、ホワイトカラーエグゼンプションの導入によって逆に長時間労働になるおそれがあるというものでした。

この点について、興味深い調査結果が独立行政法人経済産業研究所から発表されています。

それによると、ホワイトカラーエグゼンプションが労働時間に与える影響は、どの労働者に対しても等しいものではなく、属性によって異なる結果が見られたということです。

年収の低い労働者や卸小売・飲食・宿泊業で働く労働者、大卒以外の学歴の労働者などでは、ホワイトカラーエグゼンプションによって労働時間は長くなる傾向にあるようです。

一方、年収の高い労働者や大卒労働者については、逆に労働時間が短くなる傾向が見られたそうです。

前者の場合には、労働時間が長時間化した分、基本給の上昇によって補償されているのではないかと推論しています。

また後者の場合には、昇進に至るまでの出世競争が労働時間を長時間化させている可能性があるとしています。

ホワイトカラーエグゼンプションについては、まだまだ議論のあるところですが、こうした調査が行われることで議論も進むことになるのではないかと思います。

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2009年08月19日

2008年度の男性の育児休業取得率は1.23%

長時間労働が問題視されている中、仕事と生活の調和が求められてきています。そうした要請もあり、育児支援策は充実してきているといえるのではないでしょうか。

例えば、夫婦で育児休業を取得する場合、従来1歳までとされていた育児休業期間が1歳2カ月まで延長されることとなっています。これは来年4月施行予定の改正育児介護休業法によるものです。

このような措置によって、育児休業は以前と比べれば取得しやすくなってきているといえるのではないかと思います。

事実、女性の育児休業取得率は高まっているようです。厚生労働省の調査によれば、2008年度の女性の育児休業取得率は、90.6%となり、初めて9割を超えたとのことです。

休業期間も10カ月以上とする取得者が5割を超えているようです。

一方、男性の取得率は低迷したままです。同調査によれば、男性の取得率は1.23%となっていて、前年比では0.33ポイント低下しています。

厚生労働省では男性の育児休業取得率を10%に高める目標を設定しています。前述の法改正もこれに沿ったものといえるでしょう。

ただ、男性の場合には、職場環境が大きく影響するのではないかと思います。復職後の処遇への不安はぬぐえないというのが正直なところかもしれません。

そうした不安が解消できるような環境が整わないと男性の取得率の向上は望めないような気がします。

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2009年07月23日

連合が改正労働基準法施行に向けて対応方針を確認

長時間労働の抑制をめざした改正労働基準法が2010年の4月から施行される予定になっています。

改正案では、1カ月60時間を超える時間外労働に対して、50%以上の割増賃金を支払わなければならないとしているところです。

また、45時間を超え60時間までについては、25%を超える割増率を労使協定において定めることが求められています。

これに対して、連合としての対応方針を確認したということです。

それによりますと、、(1) 時間外労働が月45時間以下の場合は30%以上、(2) 時間外労働が月45時間超と休日労働は50%以上、としています。

また、中期の時短方針としては、「時間外50%、休日100%」を堅持するということのようです。

改正案では、休日労働に関する割増率の引き上げがないことから、企業が休日勤務を増やすおそれもあります。

その点を考慮して、時間外労働に対する割増率の引き上げを目指すということのようです。

なお、法律では、月60時間を超える時間外労働については、割増率引き上げの代わりに有休休暇で代替できる措置をとることもできますが、これに対しては否定的です。

というのも、「労働の対価は本来、賃金で支払うことが原則である」との考え方があるからということのようです。

いずれにしろ、改正労働基準法の施行に向けて、そろそろ本格的に取り組む必要があるということでしょう。

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2009年07月13日

名ばかり管理職の問題、青山商事でも和解

昨年は、名ばかり管理職の問題が大きく取り上げられました。管理職の名称を与えられていても実際には一般社員と同じ権限、役割しかない人のことです。

日本マクドナルドの店長が起こした裁判で、注目された訳ですが、このケースでは最終的には会社側が約1,000万円を支払うことで和解をしています。

この裁判以後、大手の小売業や飲食店では店長の扱いを改めるケースが増えました。日本マクドナルドでも店長に対して残業代を支払うように制度変更を行っています。

名ばかり管理職の問題は、マスコミでも大きく取り扱われたため、多くの企業で「私も名ばかり管理職だ」という声をあげる人も出てきました。

これによって、経営側も対応せざるを得ない状況に追い込まれ、前述したように制度そのものを見直す企業も出てきたところです。

日本マクドナルドのほか、小売業では青山商事の店長も同様な訴えを起こしていました。日本マクドナルドの店長の問題が和解金を支払うことで解決に至ったこともあってか、青山商事でもこのほど和解をすることになったようです。

日本マクドナルドの場合には、約1,000万円ということでしたが、青山商事のケースでは450万円となっています。

和解金の額は、それぞれのケースで違いがあるでしょうが、中小企業だと大変な金額になることは間違いありません。

そうしたことのないよう、改めて自社の状況を確認しておく必要がるでしょう。

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2009年07月02日

昭和シェル石油が男女差別で5000万円の支払いを命じられる

男女雇用機会均等法が施行されてからすでに20年以上が経過しています。この法律の施行によって性別による差別は少なくなってきたといえるのではないでしょうか。

しかし、まだまだ根深いところでは差別が残っているというのが実情かもしれません。そんな一端をのぞかせるような判決が東京地裁で先日ありました。

これは昭和シェル石油の女性社員12人が、起こしていた裁判です。

この裁判は、性別の違いによる賃金差別があったとして、計約5億5,000万円の支払いなどを求めていたものです。

これに対して、東京地裁は「違法な男女差別による処遇を受けていた」と判断して慰謝料など計約5,000万円の支払いを命じています。

この判決の中で、裁判長は少なくとも1993年前後に昇格や賃金について性別による差別があったと指摘しました。

同社ではその後、能力や成果を重視した新しい人事制度を2000年に導入していますが、この中にも違法な男女差別の影響が残っていると認定したうえで上記のような判決をくだしたようです。

ただ、原告側が求めていた昇格については、認められませんでした。

男性か女性かで能力の違いがある訳ではないでしょうが、仕事に対する適性という意味では業務の内容によって性別による違いはあるかもしれません。

そうした点の取扱いは非常に難しいといえるのではないでしょうか。

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2009年06月30日

自己破産した社員を解雇できるか?

不況の影響で、賃金も抑制されています。働く側からすれば、生活を圧迫されているといっていいのではないでしょうか。

こうした状況だと、生活費を補うために悪質な金融業者を利用することもあるかもしれません。

それでも返済できれば問題はないのでしょうが、結局は行き詰まってしまうおそれがあります。

こうした場合、会社にも取り立ての電話がかかるといったこともあるのではないかと思います。会社からすれば迷惑な話ということになるでしょう。

最悪の場合、自己破産ということにもなりかねません。

このとき、自己破産した社員の取扱いをどのようにすべきなのでしょうか。会社とすれば、そうした社員を雇い続けることに不安を覚えるかもしてません。

できれば解雇したいと考えることもあるのではないかと思います。そうした解雇は可能なのでしょうか?

基本的には、社員が自己破産を申し立てたり破産宣告を受けたりしても解雇することはできないと考えるべきでしょう。

ただし、一定の資格を前提として職務を特定して採用したような場合で、自己破産によってその資格を喪失したようなケースであれば解雇が認められることもあると思います。

また、金銭を取り扱う業務などに従事している場合には、その職務における適格性がないという理由で解雇できることもあるかもしれません。

つまり解雇できるかどうかは、個別の状況によって違いがあるということになるでしょう。

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2009年06月17日

介護休暇が新設された改正育児介護休業法が今国会で成立の方向

最近は、仕事と生活の調和という観点から、ワークライフバランスが注目されているところです。

育児や介護が行いやすいように、企業内でもさまざまな仕組みが導入されているのではないかと思います。

法律でも、育児介護休業法によって育児休業や介護休業が義務づけられていますが、まだまだ足りない側面もあります。

そのようなことから、改正育児介護休業法案が、今の国会に提出されています。先週、衆院厚生労働委員会で全会一致で可決されたところです。

今回の改正案では、3歳未満の子どもがいる従業員を対象にした短時間勤務制度の整備や、残業免除を企業に義務付けています。

また、子どもが病気になった時の看護休暇を拡充し、これまで5日だったものを1人の場合に5日、2人以上の場合には10日が限度とされることとなっています。

新たに設けられることになっているのが、介護休暇です。これは、要介護状態にある家族の通院の付き添いなどに対応するため新設されるものです。

家族1人の場合には5日、2人以上の場合にあっては、10日を限度として休暇が取得できるとされています。

この改正案、順調にゆけば今国会で成立する予定です。これによってワークライフバランスが更に一歩進むことになるのではないでしょうか。
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